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結局、周りの目は気になるもの
先日作った文庫本を解体、再利用したメモパッドを見た友達から、自分も作って欲しいと頼まれてしまった。
自分一人で使うメモの量などたかがしれているし、でも作るのは楽しいし(実は文庫本を解体するのがいちばん楽しい)、二つ返事で引き受けた。
一人からは新潮文庫の「シャーロック・ホームズの事件簿」と岩波文庫の「墨汁一滴」の2冊、作って欲しいと頼まれた。
メモを使い切っても、自分でリフィルを作れば表紙は使い回しできるようにしてある。果たして2冊もいるんだろうかと思いつつ、それだけ何かしら思い入れのある2冊なんだろう。
それになにより白紙を挟んだだけのメモパッドに「事件簿」「墨汁一滴」という表紙をつける選択の面白さにニヤリとしてしまった。
僕がニヤッと笑うところまで想像して選んだのは間違いない。「遊び」の感覚の良さが周辺にまで及んでいて、感心してしまった。
こういう時に『孫子』だとか『葉隠』みたいなのを選んじゃうのもアリなんだろうけど、なんだかなあという感じである。
それでも『純粋理性批判』とか『アガメムノン』なんて、「おまえ、読んだことないだろ」と一瞬で見抜けるようなものを選ばれるよりはマシかもしれないが。
考えてみれば、あざとく『星の王子さま』とか『ハックルベリイ・フィン』みたいなのを選ぶ手もある。
文学青年だった過去を装って『カラマーゾフ……』や太宰、芥川を選ぶとか。
さらにもう一捻りして、あえてサン=テグジュペリでも『夜間飛行』を選ぶとか、ケストナーの『飛ぶ教室』を選んだりすれば、自身のイメージ・コントロールそのものになってくる。
もしかしたら『我が闘争』とか『共産党宣言』なんてのを選ぶ人がいたりして、次の日から周りの人が50センチぐらい離れたりして。読んでるだけならともかく、メモパッドの表紙にするには適切ではないということなんだろう。
と書いていて今思いついたんだけど、D・アダムスの『銀河ヒッチハイクガイド』が表紙だったら面白いな。
ガイドブックというタイトルが付きながら、中身はただの白い紙。なかなか面白い。
文庫サイズの「地球の歩き方」があれば、メモパッドの側面を頑張って青く塗るんだけど、存在しないのが残念。
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