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読書記録

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個人的な読後連想の記録
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2021年9月の記事一覧

読書記録(羅列版)その2

 こういう類の作業は思ったときにやらないと旬を逃す。  積み残して先延ばししてもあまりいいことはない。何につけても熱はやがて冷めるものだし、冷めなければ冷めないで気持ち悪い。  そんなわけで乱読した小説作法や創作指南を垂れ流す、ただの記録投稿のその2をまとめておくことにした。  すでに忘れてしまっていて、記録から漏れているものもありそうな予感。でもそれはそれでその程度だったということだろう。  UCバークレーを卒業後、出版社、テレビ局などで仕事をし、今は映画の製作・配給会社

読書記録(羅列版)その1

 とにかく雑多に乱読の見本のように千切っては投げ、千切っては投げしているので(千切ってもなければ、投げてもいない)、何をどれだけ読んだのかを自分でも忘れそうになってしまう。最近まとめて読んでいる小説作法や創作指南は特にそうだ。  ストーリーがあるわけでもなく、ある意味では情報の羅列でしかないものもあるから、余計に個別的な記憶が薄れがちなのかもしれない。  読み物として面白かったものは別として、いちいち感想や紹介を書くほどでもないのかもしれないが、頭の中を整理する意味も含めて並

読書記録『ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門』

 創作指南を何冊読んだところで小説が書けるわけではないのだが、飽きずにまだ読んでいる。図書館にはまだまだ未読の創作入門や創作ハウツーが残っていて、おかげで当面読む本には困らなさそうだ。  もはや何かの知識や知恵を期待しているのではなく、僕はただの読み物として読むようになってきた。となれば重要なのは役立つ情報よりも読んで面白いかどうかだ。そして今日読んだローレンス・ブロックの創作指南はこれまで読んだどれよりも面白かった。  僕はこれまでに読んだ創作入門の類の20〜30倍のハード

読書記録 『月の魔法』川上健一

 このところ小説を読む量が絶対的に減っていたもので、このままでは低血糖になりそうだと慌ててブドウ糖を口に放り込むみたいに読んだ。  ストーリー無し、クライマックス無し、カタルシス無しのものばかり読むのは精神だけではなく肉体にも悪い。マクラ無し、笑い無し、サゲ無しの落語を延々と聞かされているような責め苦も同然。  そんなこともあって、図書館の文芸作品の棚の前でほとんど無目的でこの小説を選んだ。  かすかにあった目的は「小さな物語を読む」ということだった。  最近は小説でもとかく