1月:シンお雑煮【短編小説】1400文字
離婚をするなら12月と決めていた。
否応にも清々しさと、気持ちを新たにさせようとする風がどことなく吹く1月。
ズルズルと余韻を引きずるのは好きじゃない。
パッと結婚したように、パッと独身に戻ろうと思った。
住んでいたのは彼名義の部屋だったのでちょうどよかった。
既に新しい部屋は借りていたので、有休をつかってコソコソと荷物を運んだ。彼は本棚からごっそり本が無くなって部屋に穴が開いていようと、服が減ってクローゼットの中の見晴らしが良くなっていようと、何も尋ねてこなかった。
お互