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いつおかマガジン 第4回 「ささきちさん、『いつでもおかえり』って家族関係の解決に効果があると思う?」

「いつでもおかえり」運営です。いつも『いつおかマガジン』をご覧いただきありがとうございます。

生きていく上で「親との関わり」は避けて通れないものですが、必ずしも関係が良好な親子ばかりではありません。中には、親子関係のこじれから自分の人生がうまくいかなくなることもあります。

今回は5月から弊社にジョインした「ささきち」が経験した「強権的な父親」が自分の人生のもたらした影響と、どうやってそこから脱却したのかを聞いてみました。

ーー まず、ささきちさんの家族構成について教えていただけますか?
ささきち:父、母、わたし、妹です。父と母は周囲の反対を押し切った恋愛結婚だったそうですが、結婚後、わりとすぐ不仲になってしまいました。その冷え切った関係が30年ずっと続いているんですね。

ーー そのようなご両親の「不仲」がささきちさんの成長にあたってどのような影響を及ぼしたと感じていますか?

ささきち:そうですね、「父の機嫌を損ねるな!」というのが暗黙のルールとしてありました。幼い頃はよく夫婦喧嘩もしていて、父の怒鳴り声やドアをバタンと閉める音とかがきつかったですね。母親はいつも具合が悪そうだったという記憶ばかりで、今から振り返ると自分の家がとても息苦しい場所でした。

ーー その家庭環境が「あまり普通ではない」とは当時は思えていましたか?

ささきち:当時は「これが普通だ」と思っていました。いや、自分にとっては当たり前のことで、普通とか普通じゃないとかいう意識もないですね。家庭とはそういう場所であるという認識が浸透している感じでした。とにかく、父の言うことが絶対なので、自分の意見を述べようものなら頭ごなしに否定されて取り合ってもらえませんでした。だから「自分の環境がどうか」ということも考えるのを諦めていたのかもしれません。

ーー それが「なにかおかしいな」と感じたのはいつからでしょうか。また、そのきっかけはなんでしたか?

ささきち:「なにかがおかしい」と気づいたのはかなり後になってからで、きっかけになったのは離婚後にカウンセリング・コーチングを受けたことですね。その時には既に30歳を越えていました。

ーー なぜ離婚後にカウンセリング等を受けることにしたのでしょうか?

ささきち:仕事の取引先の人に一目惚れして、付き合ってすぐに結婚しました。はじめは上手くいっていたのですが、子どもが生まれると関係がアンバランスになりました。私ばっかり昼夜問わず子育てしているのに、夫は全然わかってくれないし、手も貸してくれないという不満が募ってしまって、結婚から5年で離婚しました。その当時は同居の母親とも、幼い自分の娘とも上手くやっていけず、自分が人間失格のような気がしてとても辛く、もうこれ以上この生き方はしたくない、と思って他の人に相談するという手段を取りました。

ーー そのカウンセリングを通してどのような気づきがあったのでしょうか?

ささきち:父親が全く人の話を聞いてくれない人でしたので、私の中では「自分の話を聞いてもらえない」という確信がすごくあったんです。今振り返るとただの思いこみなのですが、「察して慮るべし」「顔色をうかがうべし」「相手の不機嫌は自分のせい」という母親の信念をそのまま引き継いでしまっていて、自分の考えを口にして、相手と建設的な話をするという手法を全く知らなかったんですね。それで、夫のことにしても子どものことにして、相手が不機嫌だったとすると、全部自分のせいにして「私が悪かったから何か直さなきゃ」とか「私がなんとかこの空気を打開しなきゃとか」とかを常に思っていたことに気づきました。あと、相手の評価が自分のすべてだったので、嫌われないように行動しなきゃということにリソースを割いていて、「自分」がなくなってしまっていたんですね。気づいたら好きなこともやりたいことも、全然浮かばなくなっていましたね。

ーー それに気づくまで、けっこう辛かった、というようなことはありましたか?

ささきち:もう、それはだいぶきつかったですね(笑)でも、きついけど、なんできついかわからないんですよね。20代から30代前半は本当に暗中模索でした。

ーー その辛い時期を乗り越えて、今の人生はどうなりましたか?

ささきち:いまはようやく「人生が楽しいかな」と思えるようになったところです。昔からの友人から「別人になった」ってよく言われました(笑)

ーー それは本当に良かったですね(笑)その経験を経て、家族との関係はどうあるといい、というような気づきはありましたか?

自分が我が子に対する在り方を変えた後に自分の親を見つめ直すと、「あれ?今までのは親の都合を押し付けられただけだったのでは…?」と気づいていきました。それからどんどん「親と自分の在り方」を考えていきました。

ーー その中で特に「親と子どもの関係はこのようなものだったらいいな」と思ったことはなんでしょうか?

ささきち:そうですね、「親を絶対視しなくてもいい」ということでしょうか?結局、親も「ただの人」なので、間違えたりおかしかったりするんです。だから、親の言うことが正しいかどうかは自分でも考えなきゃいけないし、それで親と合わないなと思ったら、逃げてもいいんだと思います。

ーー 「親から逃げてもよい」ということを自覚するって大事ですよね。その気づきが今の子育てに良い影響を与えていたりしますか?

ささきち:そうなんです。結構「どうしたらいいのかわからない」「ママも間違えるし!」って子どもに言ったりします(笑)でも、そうすると子どもが自分で色々考えて意見を言ってくれるんですね。それが嬉しいです。だからこそ、今度はどれだけ子どもを手放すかという葛藤があったりします(笑)

ーー お子さん、まだ小学生ですよね、それはまだ早い気もしますが(笑)

ささきち:親なんていない方が子どもはたくましく育ちます(笑)

ーー そうかもしれませんね(笑)さて、かつてのささきちさんに「いつでもおかえり」があったら、どのような影響があったと思いますか?

ささきち:そうですね。父親の言いなりにならざるを得なかった時や彼氏が若干デートDVだった時、夫との悩みを誰にも言えなかったときに「いつおか」があって、自分の気持ちを吐き出した方がいいと知ってたら少し違ったかもしれません。そんな簡単なことさえ、かつての私がそうだったように、知らない人は知らずに苦しんでいるかもしれませんし。

ーー それらを踏まえて、「いつでもおかえり」がどのようなアプリになるといいと思いますか?

こういう「頼れる・逃げられるところがある」と知ってると知らないのでは全然違いますよね。若いうちは家と学校を中心とした狭い世界しか知りませんし、大人になってにも職場がすべてだったりすることもあります。ユーザーの皆様には「いつおか」を通していろんな選択肢を提示できるといいですよね。

ーー 本当にそうなるといいですね!本日はありがとうございました!

ささきち:ありがとうございました!


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