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【山頂を目指さない山歩き:福島県 安達太良連峰】わたしのなんでもない日々 vol.19

こんばんは、餃子です。なかなかnoteを書く意欲が湧かず、筆を持てずにいました。

「行動」や「体験」を「書く」までにタイムラグ開けてしまうと書けない病とでも言うのでしょうか?

「アウトプットできないのはインプットが足りないからだ!」と勘違いし、読書や撮りためたドラマを消化するのに必死な日々を過ごしていました。

毎日投稿している人はホントにすごいなぁ~。

そんな殻に閉じこもる私を外に連れ出すのは決まって夫。
「山でとびきりのご馳走を食べよう!」
行き先を3つ提案されたけれど、安達太良山をチョイスした。

安達太良山は標高1700メートルで、日本百名山の一つ。安達太良山へ登ると言いつつも、安達太良山の他に鉄山、鬼面山、箕輪山等を含む山域を安達太良連峰と言うそうな。
調べてみると、山頂に向かうコースは7つある。難易度と時間に合わせて選択が可能だ。

今回で私が安達太良連峰に登るのは3回目。初心者ではないので、ロープウェイは使いません。自分の足で標高を稼ぎます。

朝4:30の夫の優しい声がけでは起きず、その数十分後布団を剥がされて強制的に起床。
「すぐ準備できるんだから出発の10分前に起こしてくれればいいんだけど…ムニャムニャ〜」

自宅から登山口に着くまでの間にも、夫が運転する傍らで寝てしまい、シートベルトによだれを垂らす始末。。。逆の立場だったら「もう連れて行ってあげない」ってレベルだと思う。

そんなことを思いながら、悪路に車揺られながら沼尻登山口に到着。以前好んで歩いていた、硫黄泉が流れるパイプを傍らに歩く登山道は柵が建てられ閉鎖されていた。

安達太良山の山開きは5/19にすでに終わっており、山開きの記念ペナントやピンバッジをもらうことは叶わなかった。

沼尻登山口から正規ルートで登山開始。足元に咲く小さな花々を見逃さないように歩いた。

歩き始めて1時間ほどで硫黄臭の漂うゾーンを歩くことができる分岐点へ。こちらのルートを選択するのは少数派らしく、静かな山歩きができる。

温泉が流れている様子は草津温泉の湯畑を彷彿とさせる。

適度に硫黄臭を嗅ぎつつ(油断すると硫化水素にやられる場合もあるそうだ)、数年前歩いたときよりも辛い感じがするのは右のふくらはぎが攣りそうなのをかばって歩いているせいなのか…。

基本的に道を覚えることができないタチなので、あとどれくらい歩けば稜線に出るのか?わからないまま夫の後ろを歩いている。ときどきおならをかけられながら。

この山の難関ポイント、胎内岩に到着。

週に一回、歩行距離10キロ、高低差1000メートルの登山を心がけている夫は軽々と上から行くが、足が短い私は狭い穴を這いつくばるようにしてくぐった。もちろんザックは降ろさないと通ることは不可能だ。

やっとの思いで稜線に出ると夏の青空が広がっていた。
地面からこみ上げる空気が、雲の形がもう夏そのもの!

沼ノ平火口はいつ見ても宇宙感が半端ない。年月が経っても火山噴火の凄まじさを後世に伝えてくれる。

メジャーな拓けた場所は人が多いので、ピークよりもやや手前の場所で本日の宴会開始です。時刻はただいま10時を迎えたところです。

夫の得意料理、すき焼き!
お肉の霜降り度合いがすごい!

鍋に入る前はまだ凍っていました。

標高が高い分、沸点が低く、煮えるまでに時間がかかるので、すき焼きの提供まで副菜で小腹を満たす。

ゴールドキウイが個人的に大ヒット!酸味と甘味が疲れを忘れさせてくれる。今後の登山のお供にはゴールドキウイが必須ですね。

お待ちかねのすき焼きは木のお椀に盛られて提供。
「どうせ食べるなら美味しく食べたいじゃん♪」と荷物が多くなることを厭わない夫であった。

霜降り牛の肉の脂が甘く溶け出し、素材と絡み合って、どんな高級料亭の女将が作ってくれるすき焼きよりも夫が山の上で作ってくれるすき焼きのほうがうまい。

一杯目を普通に食べた後は、冷凍うどんを投入して今後の歩くエネルギーとなる炭水化物を補給。

二杯目は先ほどのカットトマトをすき焼きに投入し、トマトすき焼きへと味変。さっぱりしつつも、トマトの甘味が合流し、フルーティーな味わいに変化した。

「俺、はじめからトマト入りでもいいかも!」と目を光らせて言う夫に、「一杯目は普通のすき焼きで頼むよ」と妻。

どんなことが起こったらこんな景色が誕生するのか?不思議に思いながら、私のお腹は満たされて、ここに寝転んで寝たい気持ちがモリモリになっているのを見透かした夫は、「食後のデザートは沼ノ平をお鉢めぐりして、ここから反対側に行ったところで☆」と私を諭す。

デザートをお預けにされた私は、そそくさと荷物をパッキングし、次の目的地へと闘牛のように鼻息荒くし進む。
稜線は高低差がない分、まだまだ先だと思って見えていた場所にあっという間に到着する。登山中に知ったけど、この日はボルケーノ8というイベントが開催されており、屈強なトレイルランナーと何度も遭遇した。

道は覚えられないけれど、人の顔や服装は覚えるのが得意なので「この人とまた会った」って感覚が何度もあった。

あわよくば登山以上、トレラン未満のスピードで登って降りれるようになりたいと心に灯火がついた。誕生日にはトレランシューズを買ってもらおうっと。

そんなことを思った矢先、ザレ場で足を滑らせて派手に転んでテンションダダ下がる。。。一瞬、右腕が折れて終わったかと思ったよ。夫に手を差し伸べてもらい、やっとの思いで立ち上がり、スイーツタイムに思いを馳せて前に進む。

改装中のくろがね小屋。当初は2025年完成予定だったが、工事に係るスケジュール延長等が見込まれており、3年程度遅れる見通しなんだって。くろがね小屋のカレーだけでもキッチンカー等で売ってくれないかな?絶対流行るのに〜。

先ほどすき焼きを食べたところのちょうど反対岸には小さな湖があり、ここでスイーツタイムと相成りました。

ガスバーナーでお湯を沸かして
自宅から持ってきたコーヒー豆でコーヒータイム


保冷剤となる食材は先ほどのすき焼きタイムで消費し尽くしたため、スイーツの若干のデロデロ感はやむなし。

何を飲んでも食べても地上で味わうよりも百倍美味しい!

「何を食べるか?」は大事だけど、「誰と食べるか?」「どこで食べるか?」も大事だとつくづく感じる。

コーヒー飲んでしまうと、頭が利尿作用を感じてしまって、もう山ではゆっくりしてはいられない。そこからはホントは転がるようにして下山したいのだけど、下山苦手な私はピヨピヨ一歩ずつ降りた。

安達太良山はロープウェイを使えば約1時間半で山頂に到着できるため、初心者の方でも安心な山。今回山頂は踏まずに(正確には鉄山の山頂は踏んだ)、のんびりと景色とグルメを満喫した山歩きだった。コースは季節を変えて紅葉の時期に、こんな山歩きをみなさんもいかがでしょうか。

下山後、田村屋旅館で温泉に入った後、クーラーボックスに冷やしてあった柑橘ゼリーを食す。パッケージの脱力感がすごい。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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