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おにぎり食べたり、枝拾ったり、な日々|いつだれkitchen物語 #03

いつだれkitchen(以下、いつだれ)note 第3話
前回は、いつだれが生まれるきっかけになった、とある女性の話で、2016年のこと。
今回は、そこから2017年ぐらいまでのお話。

おにぎりとか食べながらも、、、

前回登場したとある女性。
70歳女性、軽度の知的障がい。でも、体超元気。会話も問題なし。善悪の判断がつかないことと、他人の物を取ってしまうことが問題。
彼女に必要なのは、”介護”や”障がい”のサービスではなく、彼女の特性を理解しつつ、彼女のできる”仕事・役割”と”居場所”を見つけることと考えた我々(いつだれ主宰の中崎・包括支援センターの吉田・変な公務員イガリ)。

前回の奇跡会議のあと、彼女を取り巻く多くの関係者の理解と協力で、なんだか、彼女の問題行動も減ったような感じで、平穏な日々が過ぎていきました。
しかし、そんな日々に甘んじている我々ではありません。その間も、何度か打ち合わせと言いつつ、おにぎりを食べ、中崎お手製の”きゅうりの佃煮"を食べながらも、彼女のことを考え、近況報告し合い、彼女の居場所を探し続けたのです。

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落ち穂拾いならぬ、梨の枝拾い

あれは、2016年だったか2017年だったか記憶がはっきりしない上に、いくらスマホの中やクラウドの中を探しても写真が見当たらず、定かではないんですが、確実なのは”冬”だった時のこと。

「彼女ができそうな仕事見つかったよー」と中崎。
聞けば、梨の農家さんが冬の間、枝の剪定をすると。で、その枝拾いを手伝ってくれる人を探していると。作業は、文字通り、落ちている枝を拾い、ある程度の束を紐で結えてまとめるだけ。

「キターーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

これならできる、間違いなくできる。よし!いいぞ!
と3人で絶叫しました。(多分)
でも、念には念を入れて、梨農家のおじちゃんにも失礼のないように、まずは挨拶を兼ねて、私たちがお試しで枝拾いやってみよう。

「全っ然、ダメ」
中崎さんと梨農家のおじちゃんの声。
向かってる先は、イガリと吉田。
へっぴり腰、手際が悪い、遅い、たばねて結えた束も持ち上げると枝がバラバラと落ちていく。
慣れと上達より先に、体が悲鳴をあげ、心が折れていく。
「私たちができないことを、彼女にやらせるわけにはいかない」、、、
と決断を迫られるより前に、枝拾いはおじちゃんの妹さんが手伝ってくれることになりましたとさ。めでたしめでたし。

”食”かなぁ

”挫折 of 枝拾い”の後、再びおにぎり会議に戻ります。
イガリは、またきゅうりの佃煮※をつまみまくります。

これマジ絶品。みなさん、そんな食べ物あるって知ってました?イガリは知らなかった。そして、超ハマった。ハマっている。現在進行形。

イガリが、きゅうりの佃煮をバクバク食いまくってるのを見ながら、中崎
「私、生まれが新潟の、日本一の豪雪地帯と言われるところ出身なのよ。だから、夏に採れた野菜をどう保存して、冬の間に美味しく食べれるかっていう土地柄だし、食文化だったわけ。」
「そういう私から見ると、いわきは雪も降らないし、一年中食べ物に困らない豊かな地域なのよね。だから、先祖代々の畑を荒地にしたくない一心で耕され、結果、食べきれない分が鋤き込まれていくのが、余計、目に付いちゃう」

吉田「だけど、私は仕事で、食べ物に困って、一つの干し柿を、三日に分けてしのいでいる人に会った。」

イガリ「俺は、子供が4人もいるので、近所のおじちゃんおばちゃんが、自分たちで食べきれない家庭菜園でできた野菜なんかを、よく持って来てくれるよ」

豊かな土地柄、作らざるを得ない、けど、食べきれない。一方、食べれない人もいる。食べきれない分をもらってる人もいる。

例の彼女の役割と居場所、見つからないようなら、自分たちで作ることも選択肢に入りつつあったこの頃、もし自分たちで作るなら、キーワードは「食」かなぁと、ぼんやりと浮かんできたのもこの頃でした。

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