見出し画像

第三章 「次回、彼氏死す」


「外見と内面は完全に矛盾する」

そんな言葉を聞いたことはないだろうか

清楚なフリをする人ほどビッチだったり
モテる人ほど、私はモテますとは決して言わない

頭の悪い人ほど、賢い振りをするし
お金に困ってる人ほど札束を見せびらかす

人は自分にないものほど
それを持っている振りをしようとする。

自分に自信がない人ほど
見栄や虚勢にこだわり
学歴や希少価値の高い職に就きたがる。

メンヘラも同じである。


「私、実はメンヘラなの」

とか言ってる小娘は
まだメンヘラの「メ」の字も解っていない。

本物のメンヘラは
そんな可愛いものでは断じてないのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼女の過去について、僕は詳しくは知らない。

誰かが教えてくれたような気もするし
喫茶店かどこかで彼女自身から聞いた気もする

中学の夏に担任と大喧嘩して
学校を飛び出して私立の女子校を中退した

昔付き合っていた彼と連絡がつかなかったから
家まで救急車を呼んだことがある

たしか ”そんな程度” の話だった気がする。


僕が目を覚ましたのは朝の10時だった。

携帯は見ていないが、
おそらく着信が30件以上は入っているだろう

僕は冷蔵庫からオレンジジュースを出して飲み
3日前に買ったパンにジャムを塗った
ベランダからは5両編成で走る電車がみえる

地元では「赤電」だとか言われているらしい
いや、理由は僕にもよく分からない

まあ、とにかく土曜日の朝だ。


今週もよく働いたし
気分転換に散歩にでも出かけよう。

食器を流しに放り込み、颯爽と家を出る。



着信だ。

「………!!!???!!!」

指を滑らせ誤って出てしまった、、


きっと流しに食器を放り込んだ際に
指に水滴がついてしまったのだろうか


文字通り、おしまいだ

ヤツのスタンド攻撃が始まった

「ねえ!!!!なんで電話にでないの!!」
「え!浮気!!?誰といたの!何してたの!」
「ねえ!聞いてるの!!ねえ!!!!」
「私のこと好きじゃないの!!」
「もういい、死ぬ!!!」 etc...

…くっ、極めて不快である。
何か生命に対する侮辱すら感じる。

鳩も同情しているのが見てとれる


…困った


僕は携帯を抑えてため息をついた


なんと回答するのが正解か。
敵スタンドの攻撃はもうすでに始まっている。



残念ながらこの場合、
なにを言っても返ってくる答えは変わらない

否、「変えられない」

僕には、それが分かる
それがヤツのスタンド能力だからだ


本体を倒そうにも
浜松と東京では距離が遠すぎる


遠隔操作型のスタンドにしては
妙にパワーが強すぎる……

くっ、、完全に油断していた、、
一人で晩酌なんてするんじゃあなかった、


「寝落ちしてました」なんて通じる訳がない、
まして相手はスタンド使い、、

くっ、悔しいがここまでか、、、

JOJOーーーーーーー!!!!!
おれの最期の波紋だぜーーーー!!
うけとってくれーーーーッ!!!

(シーーーザーーーーー!!!!)


や、、やめて!!!



メンヘラの特殊能力で、
スタンド能力もない彼を焼き払ったら


闇の契約で会社と繋がっている
彼の精神まで燃え尽きちゃう!


お願い、死なないで!!!


あなたが今ここで倒れたら、
今のあなたの営業ノルマは誰が引き継ぐの??


ライフはまだ残ってる!


ここを耐えれば、
平和な休日が待ってるんだから! !



次回「彼氏死す」デュエルスタンバイ! !!











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?