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DevOpsDaysTokyo2021感想:DevOpsとカンファレンスの切っても切れない関係

4月15日~16日の2日間にわたって開催されたDevOpsDaysTokyo 2021に参加しました。
今回はオンラインと、大崎ブライトコアホールでのオンサイト両方で参加可能な、いわゆるハイブリッド型での開催。
弊社メンバーが実行委員をしており、またスポンサーとして協賛もしているので、かかわりの深いイベントです。以前から何かとこのイベントの名前は耳にしていたので、今回初参加できるのを楽しみにしていました。

スポンサーブースがあったので私は現地へ向かいましたが、やはりコロナウイルス感染症予防もあり、一般参加の方はオンラインでの参加がほとんどのようでした。
現地に実行委員やボランティア、スポンサーなどが数十人はいても、それ以外の参加者は数えるほどでしょうか。そのため一応ブースに陣取っておくも、一般参加者よりボランティアや他スポンサーの方との交流がメインでした。その分、余裕があったのでセッションはじっくり見られましたが。

今回は、例年よりもテスト関連、技術寄りのセッションが多かったようです。
その中でもやはり注目すべきは1日目のトリ、「DevOpsのゴッドファーザー」でもあるPatric Deboisさんのセッションでした。

Patricさんのセッションはオンライン・同時通訳付きで、Inedo社のアレックスさんとの対談形式で進みました。
まず、DevOpsの誕生について、印象的な話がありました。「DevOps」という名称について、Patricさんは定義のためではなく、最初はカンファレンスの名称として「DevOpsDays」を考えたというのです。
Agile System Administration Daysだと長いからDevOpsDaysはどうだろう、そうすると略称がDODになって「Dead On Delivery」と同じで面白い、との思いつきだそうです。そこから他の方がブログでDevOpsと呼んで、定着していったと。てっきり定義が先に誕生したと思っていました。

また、DevOpsの定義についてPatricさんは、アジャイルにおけるアジャイルマニフェストのような形では、敢えて明確に定義してこなかったとおっしゃってました。紙の上に書いた言葉にすると誤解が生じてしまうという懸念や、各人がDevOpsについて考えて、DevOpsという言葉に成長の余地を残したかったなどの理由のようです。
そして、誕生から11年経ってPatricさんが考える、「ご自身としてのDevOpsの定義」としては「サイロ間の摩擦を取り除くこと」とのこと。開発・運用のITだけの摩擦とは限らず、またそこを解決しても他のところに溝がある。財務や人事との間にも摩擦やサイロはあるので、それを取り除くことがDevOpsというのです。
私は開発・運用とは直接関係のないマーケティング担当ですが、解消したい他部門とのサイロは確かに存在するので、自分にとってのDevOpsの考え方として、とても参考にしたいと思いました。

翌日にあった、川口恭伸さんのセッション「DevOpsの時代 ~ 変化を体現する"統合"の先駆者たちから学ぶ」でもDevOpsの歴史について紹介され、そこで「カンファレンスは廊下が大事!」という言葉がありました。
DevOpsの誕生が、アジャイルカンファレンスの廊下でPatricがAndrewに声をかけたことから始まったように、カンファレンスでの出会いを大事にしていこう、というのです。

今回は現地の参加者が少なかったため、実際の会場の廊下は幾分か寂しかったものの、オンラインのDiscord上は闊達な意見で賑わっていました。また、現地でも、実行委員やボランティアの方が楽しそうに運営している雰囲気がとても素敵なイベントでした。

カンファレンスから誕生し、カンファレンスで名前がついたDevOps。時代によって形は変わっていくかもしれませんが、今後もDevOpsDaysTokyoが「廊下での出会い」を作るイベントとして、新しいアイデアが生まれる楽しい場所として、引き続き賑わっていくことを楽しみにしています!


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現地参加組の特典:今半のすき焼き弁当
(お弁当の種類はたくさんありましたがこれが真っ先になくなった)


↓その他、聞かせていただいたセッションについて諸々。。。

Mob DevOps & Mob Programming
ドライバーと傍観者という関係に陥りがちなモブプロに、様々な追加ロールを紹介していて面白かったです。Mobber、Reseacher、The Sponcer、Real Admiral、The Noseなど人狼ゲームの役職か?!というくらいかっこいい名前が付けられていて(特にThe Noseの異質感たるや…)、プログラミングほとんどできないんですが無駄に役職をやってみたくなりました。
Chrisさんの背景にボードゲーム「SCYTHE」がでかでかと置いてあったので、ひょっとしたらゲームの役職っぽいなって思ったのはあながち間違いじゃないかもしれない。

文化的負債との戦い: 老舗ソフトウェア開発会社でアジャイル変革を仕掛けた8年間
本1冊分くらいの内容が40分にぎっしり詰まった講演でした。
変革ストーリーに沿って、ポイントをまとめたスライドが体感時速100キロでめくられていき、「インナーブランディング」「デリゲーションポーカー」「メドラーズゲーム」などと気になるキーワードがバンバン通り過ぎて行って、ひえ~待って待って!と必死にメモりながら聞いてました。とてもおもしろかったので、公開されているスライドをまたじっくり追ってみたいです。


「ログイン画面が開きません」から始まるチーム改革の軌跡
タイトルからして引き込まれますが、チームが陥った危機、そこからの軌跡と、モブワークついてのヒントなどあれこれが詰まっていて面白かったです!
一人で悩むな、みんなで悩め!は名言ですね。


マインドと組織の変革 ~北國銀行における事例~

弊社セッション(※宣伝)。変革プロジェクトの中心となったご担当と、「フェニックスプロジェクト DevOpsシミュレーション研修」を担当した弊社講師による対談形式のセッションでした。まじめで誠実だけど、上意下達一辺倒で縦割りだった地方銀行の文化を変えていく、勇気づけられる内容でした!
こちらの事例記事でも担当者や受講者の皆様にお話うかがってますので是非ご一読ください(※宣伝)
https://www.itpreneurs.co.jp/case/hokkoku/
Patricさんのセッションでも、DevOpsが分からない人に説明するにはどうしたらいいか、という質問の答えで「フェニックスプロジェクト」の名前が挙がってて嬉しかったです!


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