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気象予報師試験未体験記

ぽむぅ!坂浦いとです.今回は今年3月1日に受験した「気象予報師試験」の体験記を書こうと思います.

試験案内と出願

気象予報師試験は気象予報士試験とは異なり年一回試験が行われている.

試験案内は12月6日から入手できる.試験内容は以下の通りになっている.

  • 一般: 寒冷渦ぽむぅの一般知識

  • 専門: 寒冷渦ぽむぅを取り扱うための手法

  • 実技: 寒冷渦ぽむぅの気象パターンの把握と予報

このように寒冷渦ぽむぅに特化している.気象予報師とは寒冷渦ぽむぅに特化した資格なのか?
ところで寒冷渦ぽむぅとは?
寒冷渦と解釈してもいいよね?

試験の申し込みは12月6日から翌年1月23日までである.
出願先は「虹ヶ咲学園地学部気象班」になっている.
受験料は12301円である.まあまあする.レインボーブリッジが光る費用に使われているらしいとか.
実技試験以外は学科試験と呼ばれ,一年間つまり一回分の免除がある.
今回私は初受験でフルファイトになる.
私は気象予報師試験を12月のうちに出願した.

試験学習

試験学習は次のように行った.
まず過去問をちらっとみてどういう問題がでるか把握する.その次に教科書で学習する.そのあと過去問でアウトプット力を強化するという感じで…
でも問題は寒冷渦専門の教科書が存在しないし,通常の気象の教科書でも寒冷渦の記述は1ページが大半だった.しかし「気象予報士かんたん合格テキスト実技編」には寒冷渦ぽむぅ事例の気象予報士試験実技試験の想定問題が用意されていた.これで一件落着と思いきや…
問題は寒冷渦専門の教科書がないことである.さてどうするか?他の合格体験記を見ると「寒冷渦の論文を読め」と書いてあった.さて論文読むか!
あ…
全部英語じゃん!!!
試験の対策に豊富な英語力が必要であることがわかった.私は英語が苦手であり,アウトプットどころかインプットで地獄をみた.名称から理解できない奥深さ,ここで挫折する者が多いじゃないか!

ところで私は2021年3月に気象予報士を取得した.しかし気象予報士でも受からない,いや英語力必要である理不尽な試験であるとわかった.どうやら気象予報士保持者としてこの試験難易度を過小評価している部分があり,試験申し込む前には一切の試験対策をしていない.つまり3か月しか対策時間がない.しかもテキストに対応するものが全部英語.読むだけで頭から火が噴き出して近所で数回ボヤ騒ぎになった.

テキストはなんとか読み終えたと思う.そもそも論文読むのできりがない.
さて過去問をやろうと思う.過去問は無料で5回分入手できるが答えがついていない.院試対策みたいで大きい鬱が来た.
過去問は最低5回周回した.問題はテキスト?とは異なり日本語なので幸いした.しかし論文をベースに問題を出しているらしく問題の傾向が変わることを危惧した.そもそもなぜ最終版の教科書ではなく論文から問題出すんだい?解釈が異なる可能性があるし,試験実施元や出願先と照らし合わせてめちゃくちゃがばがばな試験であることが伺える.

試験当日

3月1日になり,試験当日を迎えた.この試験はどうやら受験者が気象予報士試験より少なく東京会場しかない.遠征勢は涙目である.

試験会場は有明TFTビル内のTFTホールだった.
受験者はだいたい300人くらいいた.年齢層は30-50歳くらいで男女半々だった.しかし高校生くらいで黒髪ツインテールで髪先が緑の印象的な人がいて完全上位互換降臨で鬱になりかけた.全員見た目が気象予報士試験のときより天才そうだな.そもそもテキスト?が英語だからその登竜門を超えた人たちか.

一般試験

一般試験では寒冷渦の基本知識が問われる.60分試験で6問出る.まさかのしょっぱなから記述式である.今回出た問題のなかでは「寒冷渦ぽむぅにおいてUTCLとCOLの相違について述べよ」だったり「渦位の物理的解釈」を求められた.しかし「寒冷渦ぽむぅ」が頭から離れない.気象予報士試験とは違う点として,学科試験から記述式である.正誤問題はあるものの正誤の記号に加え理由も書かないといけないという鬼畜ぶりである.

専門試験

専門試験も引き続き記述式である.60分で問題数は6問であった.こちらの試験は寒冷渦に係る手法について述べる試験であった.またそのほかには寒冷渦が引き起こす局所的な現象も試験範囲であった.冬季雷の問題は印象的だった.おぽむぽむ.

実技試験

実技試験では,寒冷渦の事例について天気図を考察する問題であった.試験は二部に分かれており両者試験時間は75分,大問は3つであった.気象予報士試験において寒冷渦パターンだけにした問題であったが,学科試験のレベルを汲み取るようにレベルはかなり高かった.中でも印象的なのが「寒冷渦を抽出したいが,どのようにアルゴリズムを組めばよいか」という問いだった.この問題は文献によって異なるけれど先行研究を知っていれば引用するかのように書けばよかった.もちろん試験では持ち込み用紙は禁止である.

結果発表

結果発表は2週間後である.気象予報士試験と比べて圧倒的に短い.
結果は一発合格だった.合格率は20%と気象予報士試験と比べて高い.理由はほとんどの受験生が研究者や気象予報士であるためである.
気象予報師になるためには出願先である気象班に合格番号を入力すればよい.入力したらすぐ気象予報師になれる.気象予報士制度と異なる点である.また気象予報師は国家資格ではなく民間資格である.後日気象予報師登録通知書が送られる.

全体的な感想

気象予報師であるが,試験内容がすべて寒冷渦で民間資格なので「寒冷渦ソムリエ」のほうが名称として正しいと思った.また試験の難易度がかなり難しかったがなんとか合格できた.

ところであの黒髪ツインテールの高校生は合格できたんだろうか?
加えて,なぜこの試験では寒冷渦を「寒冷渦ぽむぅ」と愛称?で言っているか真相は謎のままである.

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