あなたへ繋がるものがたり
こんにちは。
itosino(いとしの)の刺繍作家EdaMaki(えだ まき)です。
2020年の頭から猛威をふるっている新型コロナウイルス。
当たり前の日常のかたちを簡単に変えてしまったこのウイルスによって、生活の大きな変化を余儀なくされている方も、多いのではないでしょうか?
その影響は、itosinoにも例外なく訪れていて、正直なところ頭を抱える日々…
3月に予定していた初個展は11月へ延期になり。
(準備は進めつつ、安全面などをふまえ、11月開催の是非も再検討中)
そしてその後も、デザインフェスタなど、参加予定イベントは軒並み中止…
ネット販売は続けているけれど、直接見ていただきたい作品の発表の場をつくるのが、とても難しい状況が続いています。
■いとしのもりのものがたり
さて、延期となった3月の個展。
実はこの個展は、「いとしのもりのものがたり」という、一連の物語作品のお披露目を目的としたものでした。
itosinoの物語に触れ、刺繍の動物たちを身近に感じて欲しくて生まれたこの物語。
イベントが出来ないなら、作品だけ先にすべてネットでお披露目しようか、とも考えたのですが...
どうしても!個展という会場で、その場で味わってほしい演出があり、残念ながら全部のお披露目はもう少し先の機会とすることにしました。
ただ、いつになるかわからないその機会。
それまですべての物語を眠らせておくのはもったいなく…
そこでこのnoteでは、個展に先がけ「いとしのもりのものがたり」のストーリーを、まずは文章で。
ちょっとずつでもお届けしていくことにしました。
物語の舞台は、とある森の奥深く…
itosinoの作品たちの故郷。
「糸しの森」(いとしのもり)という、小さな刺繍の世界からはじまります。
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とある森の奥深く
一人の魔女が住んでいました。
永い時を生きた彼女は、いつしか
変わらない優しい場所を求め、
終わりのない物語の世界を
つくりあげました。
魔法の針と糸から生まれた世界。
「糸しの森」
これは、そんな森に生まれた
1匹のこぎつねのおはなしです。
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こぎつねは、森のおおきな木の家に
えだばぁという“ヒト”と住んでいました。
ある日こぎつねは、遠くにピンクに
染まる木を見つけ驚きました。
「えだばぁ、あれはなに?どうして
木がピンク色なの?」
えだばぁは、くしゃりと笑うと答えました。
「あれは“春の森”。ここには4つの森が
あって、みんながそれぞれ好きな森に
暮らしているのよ」
「あなたもいろいろな森を見てくる?
きっと素敵な場所が見つかるはず」
こぎつねは、わぁっ!と喜ぶと、
急いで家をとび出しました。
目指すのは、窓から見えた春の森です。
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と、ここまでが冒頭の物語。
ここからこぎつねの冒険は、糸しの森をめぐり、私たち“ヒト”の世界へと繋がっていきます。
■物語の主役は?
実はこの物語。
主人公は「こぎつね」ではなく、この作品に触れたあなたです。
物語のすべてを体験したとき、最後のページの続きがあなたの日常の中にはじまります。
この、自分のいる世界と物語が「繋がる」瞬間を体験してほしくて、企画したのが冒頭の個展でした。
当たり前の日常は、まだ少し先。
窮屈なことは続くかもしれません。
でも、どんな日常の中にも、本当は楽しさは溢れていて。
itosinoの動物たちは、そんなささやかで、大切なものをまた見つけるお手伝いをしてくれるものであれ、と送り出しています。
こぎつねの見つけた春はまだ遠く。
この続きはもう少し先となりそうですが。
刺繍の森からはじまるこぎつねの旅が、あなたのもとへたどり着くまで。
この物語の行方を、見守っていただけたら嬉しいです。
いつか来る個展で、「繋がる」物語をあなたへお届け出来ますように。
まずは11月の開催を信じて、私も準備を重ねていきたいと思います。
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