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ブレンディング塾②個性とは?

「どの作家さんもはじめは面白いのに、どんどん普通になっていっちゃうのよね」
私は十数年間、全国の百貨店に期間限定でポップアップ出店をさせていただいています。
横浜のとある百貨店のアクセサリー売り場でのポップアップ中、とあるお客様に言われたのがこの一言です。

そのお客様は所謂「作家物」のアクセサリーがお好きで、その百貨店ではそういったテイストのものが少ないそうで、好みの作家物アクセサリーと出会いに都内の百貨店にもよく行かれるそうです。

ご当地の特性ってあるものでして、横浜は「流行の最先端」「スタンダードだけどちょっとオシャレ感があるもの」が好まれる傾向が強いです。

ですのでいかにも「作家物」的な個性が抜きんでているものがあまり好まれないように感じます。
「ちょっと個性的」くらいがカッコイイというところでしょうか。

そのお客様は、良くも悪くも「他とは違う」と当店の商品を思ってくださったようでした。

「最初は個性的なのにどんどん普通になっていく」

これは私も色々な作家さんを見ていて感じることです。
ですが、百貨店のようなスタンダードなものが求められる販路では「普通」であることが「好まれる」つまり「売れる」要素となるのです。

売れないと仕事にはなりませんからね、どんどん「売れるもの」=「一般ウケのもの」に舵を切らざるを得なくなります。

この現象は実は、他の業界でも実はよくある現象なんですよ。
例えば音楽業界です。
一曲二曲ヒットを出すと、どんどん色々な人に聴かれるようになり、レコード会社は「色々な人がいいと思う曲」=「売れる曲」を作るように指示していきますよね。
そこで、やりたい音楽がれれなくなってしまったり、「最近の曲はちょっと…」と初期のファンが離れてしまったり…そういうミュージシャンやバンドを皆さんも見てきたことがあると思います。

これが手作り業界でもあるあるの「売りたいの?」「作りたいの?」問題です。
画家や小説家など、創作畑の人は必ずぶつかる壁だと思います。

「売りたいから一般ウケになるんじゃない!」と言う方もいると思います。
ですがそれは一時的な「売れ」だと思います。

「一般ウケ=普通の商品」はあなた以外も作って売っているんです。
必ずしもあなたが売らなくても作らなくてもいいんです。

「作家」としてお客様を掴みたいならば、やはりどこかに「あなたのブランドらしさ」は不可欠なんです。

例えばタンメン。
「どこのタンメンも美味しいけど、やっぱり他とは違う「中本」で辛いのが食べたい!」
と思うことはありませんか?
中毒なくらいに好き!という人も多いですよね。

「中本」さんの「激辛」は他にない独自の魅力ですよね。
この「独自の売りポイント」こそが「個性」「ブランド力」なんです。

手作り作家として大成していきたいならば是非「手作り業界の中本」を目指してください。
「あの作家さんの作るものじゃないと物足りない」とお客様に思ってもらうことが、長く売れ続けることの秘訣です。

もし、ただ今だけ売れたいならば中国やインドで量産のかわいいアクセサリーを買付けして売ってください。
それで充分です。

「普通」である問題は「あなたの商品を覚えてもらえない」とこでもあります。
ですが、百貨店のように「普通」が好まれる売り場もあります。
その時にも「本来の自分」の「個性」を100%出せている商品を看板のように必ず出し続けてください。
作家戦国時代…まずは覚えてもらうことが大事です。
この続きはまた次回…。

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