見出し画像

2023年、今年を振り返る。

2023年は今日で終わりですね。皆さんにとってはどんな一年でしたか?どんな出来事があったでしょうか?

私にとって、今年は忘れられない年になりました。
2007年にこの石徹白に通うようになってから今までずっと、一番お世話になってきた昭和8年生まれのおばあちゃん・小枝子さんが亡くなってしまったからです。

前のnoteにも書きましたが、そのことで、私の目の前に広がる風景は一変しました。いつでも子供達を連れて、あるいは、教えてもらいたいたくさんのことを携えて会いに行っていた小枝子さんが、いなくなってしまったのです。

5月のことでした。

小枝子さんがいなくなった石徹白は、くっきりとした輪郭をなくし、私自身どうしていけばいいか分からないような心境に陥りました。今もそれは変わっていません。ただ、悲しんでばかりいては仕方ないと、自分を前向きにしようとする気持ちを無理やり持とうとし続けてはいます。

同時に、彼女だけではなく、次々と、頼ってきた人たちが亡くなったり、石徹白から転出される人がいたりして、現実を見つめ歩みを進めていく必要性をより強く感じる一年でした。

悲観的になるというより、ここで今私自身ができること、やりたいことを改めて見直し、これまで精一杯やってきた藍染をはじめとする服づくりに加えてもっと広がりを出していきたいと考えるようになりました。

服づくりという切り口以外での接点も増やして、もっと多くの方と繋がりを作っていくこと。それによって、一人でも多くの人にこの地に訪れてもらう、そして興味を持ってもらう、好きになってもらう。そんなことができないか・・・。

私にとって服づくりは、石徹白という土地の魅力を表現する一つの手段であり、それだけでは伝えられないたくさんのこともあると感じていたのです。
そこで見出したのは、「宿」という表現でした。ここで泊まってもらって、ゆっくりと時間を過ごしてもらうこと。そしてこの土地で繋がれてきた食を楽しんでいただくこと。

石徹白という土地の魅力を知ってもらうことは何に繋がるのか。ただ単にここのことを知ってもらい愛してもらいたいのか。いや、それだけではなく、もっと大切なことがここにはあると私は確信しています。(それはまた今度、しっかり記してみたいと思います)

それをそれとなく感じてもらえるような場づくり。それがどうやったらできるのか、来年一年、模索しながら宿を完成させていきたいと意気込んでいます。


もう一つ、今年は久しぶりに私の両手が空いた年でした。今年4月から四男がようやく保育園に行き始めたのです。

四男を2年前に出産し、妊娠中の一年、そしてその後の2年は心身ともに修行のような日々でした。39歳の高齢出産だったからか、妊娠中は貧血で動けないことも多く、かつ、コロナ禍で経営も非常に厳しい状況で精神的に追い詰められていました。

お産後は、授乳などの負担のために思うように体が動かず、徐々に回復はしましたが、おんぶしながら、四男を育てながら仕事をすることにしんどさを感じていました。そんな彼が今年の4月から保育園に入ることができ、久しぶりに一人で自由に動き回れる時間を手にしたのです。

子育てって終わってみればあっという間なのでしょうが、渦中は本当にしんどいことが多くて、経験した人ではないと分からないです。(かつ、お産や子育ては子供の個性やそれに影響される母体の状況は千差万別なので経験していたって他の人のことは理解しきれないと思っています)

私自身、たくさんの人に助けて支えてもらって感謝しかありません。だから、子供を抱えながら仕事をしている人を私はできるだけサポートしたいと思うし、「無理しないで」と言うことしかできないけど、お母さんには本当に頑張りすぎないでほしいと思います。

とはいえ、その時にやりたいことはいくらでも出てくると思うので(経営者になっちゃう人なんて、きっとそう)ありのままに居ることしかできないと思うのですが・・・。

兎にも角にも、私にとって最後のお産とその後の2年はとても重たくて大変だったのですが、それが今年、ようやく落ち着いたわけです。さあ、これから!と思って、走り続けた8ヶ月でした。藍染も畑も、企画も展示会も精一杯力を注ぎました。それはそれは楽しくて、ワクワクして、心が軽やかになった素晴らしい日々でした。

おかげで、一人で出張することも増え、出会いも増え、考える時間もできて「一人でいられる時間ってこんなに素晴らしいんだ」と当たり前のことを心から感謝できています。同時に家族で過ごせる時間の尊さを知りました。ぎゅうぎゅうなお風呂で子供達と肩寄せあってお風呂に入ること、左右にいる子供に潰されそうになりながら寝られること、「抱っこ」と甘えてくる子供達を思いっきり抱きしめられること。

一人でいられる時間があるからこそ、家族六人で過ごす時間がかけがえなく感じられる。全ての経験が私にとって必要で、無駄なことは一つもないと、あらゆることをそのまま受け入れて、大切なこととして受け止めることができる。そんな心境です。

当たり前のことばっかりなんだけど、ちっぽけで未熟な私は、小さな経験を一つずつ積み上げることで、少しずつでも学び続けている、と信じています。


たくさんの周りの人たちにたくさんのサポートをいただきながら、やりたいことを妥協せずやり続けることができる。そんな恵まれたありがたい毎日です。本当に感謝しかありません。

そのお礼に、私ができることは、ただ一つ。私らしく、私ができることを実践していくこと。

だから、来年も、自分なりの道を切り拓いていこうと思います。

2024年もどうぞよろしくお願いいたします。




いいなと思ったら応援しよう!