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インターン制度を始めて本当によかった

2017年の5月ごろから始めたインターン制度。私にとって、とてもありがたく、欠かせない制度になっています。

2023年5月のインターンのみんなと藍の師匠を訪ねて

始めたきっかけは藍染・草木染めの始まりと、子供たちの存在

2016年に店舗が完成し、そこに小さな染め工房を併設しました。お店の横で染めることによって、こうやって色を生み出しています、ということをお客様にお伝えできると思ってのことでした。

私が染めを学んだカンボジアのIKTTでも、ショップが工房(染織り村)の真ん中にあって、どういうふうな工程で布ができているか見られるようになっていて、それを参考にさせてもらったのです。

いろんなご縁があって、2017年にお店の反対側の隣に藍甕を導入し、藍染めを始めることになったのですが、畑、染め、すくも作りと、想像すればするほど一人ではできない。しかも、2017年3月ごろに3人目の子供がお腹にやってきてくれたことが分かって、この体では、到底一人で作業をすることはできない!と思ったのです。

共に学ぶ仲間としてのインターン


藍染を教えてくださる師と出会うことができ、右も左もわからない私は、藍について学ぶ意欲満々でワクワクしていたので、きっと同じように藍染を学んでみたい人がいるに違いない!と思い、共に藍染を学びながら作業をしてくれる「インターン制度」を始めようと思い立ちました。

私が何か教えるのではなく、一緒に学んでいく。それがベースのスタンスでした(今でもそうかもしれません・・・)。

こうして、インターンを募集したところ、ありがたいことに1年目から応募が絶えず、夏場は常にインターンの方がいてくださる状況です。

募集要項はこちらからご覧ください。

私は一応経営者なので、あらゆる仕事があります。私ではないとできないお客様の対応から、企画、経営に関する打ち合わせや、スタッフとの打ち合わせ、などなどなど。だから、染め作業に関わるあらゆるプロセスを丁寧にきちんと終わらせていくことがなかなかできなくて常にバタバタしています。そんなところを責任を持ってカバーしてくださるインターンの方の存在は欠かせなくて、とてもありがたく思っています。

インターンからスタッフへ


結果からすると、インターンからアルバイトや正社員になった人がいます。彼女は、2017年に募集を始めたときに初めてきてくださった第一人者。今では草木染めや藍染のスタッフとして関わってくれています。

草木染めの作業やアドバイスをいつもしてくれるまりさん

彼女は自身でも小さな染織り工房を持っているので、独自に実験や染めをやっていて、その経験を活かして、石徹白洋品店の染めに関するアドバイスをしてくれます。お互い学び合っている感じで、とてもありがたく思っています。

そして、こちらの彼女は、インターンを経て、石徹白洋品店の正社員になりました。

服飾専門学校卒でアパレル業務の経験が豊富なまなちゃん

彼女は現在、お子さんを産んで産休中ですが、デザインや作り方のレシピづくりなど専門的な分野でこれからも支えてくれる存在になるでしょう。インターンに来たときは、青年海外協力隊帰りだったので、この後も海外に行ってしまうのかな、と思っていましたが石徹白で楽しく仕事をしてくれています!

そしてこちらの彼女は、服飾専門学校を出た後、修行をしたい!ということで半年ほど石徹白にインターンとして滞在していました。

草木染めを中心的に勉強しに来たまゆちゃん

彼女は結婚して静岡に今はいますが、これから自分のブランドを立ち上げようと準備中です。これからの活躍がとても楽しみです。

最低3週間

インターン期間は最低でも3週間としています。1週間目で生活に慣れ、2週間目で仕事の全体像が見えてきて、3週間目で自分で考えて動けるようになる。それくらい滞在しないとただの経験で終わってしまうと思います。

私自身も教えることが多いので、あまり短いとお客様になってしまって受け入れが大変なのです。

今年は5月から9月末まで滞在したいという藍染修行中のインターン、まっつんがいてくれるので、入れ替わり立ち替わりやってくる3週間ほどのインターンのみんなに指導もしてくれるようになって、めちゃくちゃ助かっています。

出会いに溢れるインターン制度

石徹白は山奥の小さな集落なので、ややもすると少人数の同じ人と毎日過ごすことになります。でもインターンを受け入れていると、さまざまな地域から夏場はたくさん(といっても6人くらい?)が来てくださって、共に体を動かすので、コミュニケーションもよく取れて、深く交流することができ楽しい毎日です。

私自身が、人と一緒に何かをやることが好きなので(一人でコツコツと、黙々と・・・は向かない・・・)こうして様々な人と触れ、様々な価値観を知ることができることが何よりの喜びです。

昨年6月にインターンを経て、9月から石徹白洋品店の正社員になってくれたゆかちゃんは、元々ファストファッションで働いていたので、私たちのものづくりとは真逆の世界にいた子です。

コーディネートの提案など積極的にしてくれる

私自身が知らない世界を広げてくれました。常識にとらわれないタチなのですが、やはり既存のファッション業界のことを知ることは大切な学びです。また、ファストファッションのことを知れば知るほど、私たちのモノづくりの特殊性や重要性に気づくこともあります。
この土地で楽しくものづくりをしているわけですが、やはり外の世界へもきちんと目を向けることが大切だなぁ、と当たり前のことながら、感じています。

こうしてインターン制度によって、多彩な出会いに溢れていて、本当に感謝でいっぱいです。一人ではものは作れない、一人よがりではいいもの作りにならない、そんなことを多くの人と支え合って行うものづくりの過程で痛感しています。

同時に、やはり、一人でも多くの人との出会いにワクワクして、胸が熱くなり、より一層いいものを作っていきたいという気持ちが高まるような気もするのです。


*今年のインターン募集はすでに締め切りましたが、また来年も継続していきたいと思いますので、興味のある方は募集要項をチェックしてみてくださいね。


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