斜線堂友紀『回樹』  #読了

ゲンロンSF講座のゲスト講師として来られており、お話を聞いてから本を読み終えました。授業内でお話しされていた戦略的な面白さが随所に散りばめられていたところも含め、とても面白かった。
短編集のテーマは愛と死と墓について、と勝手に解釈しているのですが、それぞれ違うアイデアとの組み合わせで書かれていて、別個(一つ目と最後の短編は繋がってますが)の話としてバラエティがあってすごい。アイデアは尽きないというお話もしていたので「はーこうやって作ってるんだすごい」と聞いてるだけで行動に移さなそうな感想を抱いてしまった。それから、目に見えないものに対して可視化してくというのも一貫しているのかな、とも思いました。
個人的に骨刻が一番好きな短編でした。なぜなら狂ってるから。タトゥーではなくて骨に刻むので、内側に文字が刻まれていて、死んだ時とかにしか分からなかったりするということと、言霊みたいなことが組み合わされて摩訶不思議な話だなぁと。最後がハッピーエンドっぽいので、地獄みたいなオチじゃなくきちんと収まっててほっとしました。

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