憎い箏弾き

お琴をはじめた。
ぽやんと光るここが、私の席。

入門してすぐでも、
ここの席は瑞々しく、華々しく、健やかな音が鳴らせるものだから、

一回り二回り上の人たちが、座りたそうにしているのをよく知っている。

本当はあっちもこっちも、
光る席が空いているってことは、
秘密にしている。

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