「好き」についてこじらせた原因について

私は恋愛に関して大分こじらせていると思うので、怨念的な何かを成仏させることが出来たら、と思ってちょっと語る。

 私は社会人一年目、恋人いない歴=年齢を更新しつつある23歳である。中高六年間女子校で、大学も女子が多い中フリーダムに生きていたら、もう何もないよねっていう。大学までは「彼氏いたことない」って言ってもまあ環境的に仕方がないって納得されてたんだけど会社入ってからバックグラウンドが違う人に囲まれたらまあ引かれるのなんのって。

 女子校時代、身の回りに同年代の異性が居なかったことがこじらせた大きな要因の一つではあると思う。恋愛が(実際そうであったが)他人事であった。そんな時代を経て、女子の多い大学に入学することとなる。で、漠然と「大学生になったら彼氏は自然と出来るものだ」と思っていた私、入ったサークルの同期にいいな、と思う男子が出来る。A君とする。このAのせいで、といったら人のせいにするみたいで嫌だが、やはりこじらせた最大の原因はAだと思う。

 Aはおっとりというか老成してる感じで、穏やかな人だった。サークル活動で同じ時間を過ごす中、好きなのかなあと思うことがじわじわ増えていった。何より自分と似てる部分が多く、一緒にもっと居たいと思うようになっていった。

 そして夏休み直前、同期女子数人でお泊り会をした。いわゆる女子会、サークル内の先輩が誰々と付き合ってる等の恋バナになる訳で、「私A好きなんだと思う!」という宣言をしようかとそわそわしていた矢先、爆弾が放り込まれる。「てかA彼女出来たんでしょwww」まじか、と思った。ただ未だに覚えてるのがショックより先に「何それ気になる」、という野次馬精神がむくりと出てきたことだ。それでああやっぱり好きだと思っていたけど気のせいだったのかな、と思うことにし、平和なサークル活動の為に自分の感情に蓋をすることにしたのだった。

 サークルは八月は休みだったものの、九月からは活動をすることになっていたのでまだ暑い夏休み、大学へと向かった。Aは彼女について一切口を割らず、やれバイト先だの、やれ実は同期のあの子だだの周りは勝手に楽しんでいた。そんなこんなで同期女子とA君で作業をすることになり、広い部屋で三人きりになる日があった。多分どこかで彼女の話になったんだと思う。Aが急に「Bだよ」と別のサークル同期女子の名前を出した。「何が?」「彼女が」まじか、とまた思った。我ながら語彙力の少ない感想だがそれしか出なかった。

 別のサークルも二人は一緒に入っていたし、関わることが多く納得は出来たし、何よりBちゃんは私も仲良く大好きだったので純粋にいいカップルだなと思えた。またカップル色を前面に出すタイプでもなく、最初っから長年連れ添った夫婦感を出す二人で全然負の感情は湧いてこなかった。むしろ元々カプオタの私、好きな人二人がくっついてウハウハであった。変態である。長く二人の仲は続き、私も嬉しかった。ただ好きかもなと思える人が出てきても私の中でAを超えることはなく、ずっと「好きな人」についてはもやもやして四年間が終わった。身の周りの誰かに相談すれば何か吹っ切れたのかもしれないがサークルの平和を優先する自分にはそれが無理だった。

 Aが何をしたわけではないが、Aのせいで「好き」が良く分からなくなった節がある。少女漫画の名作「こどものおもちゃ」で玲君のあれやこれで恋愛音痴になった紗南ちゃんの気分だ。もやもやが長すぎた。というか今会社で好きかもなと思える人は出来てるが、びっくりするくらいAと似ていて、雰囲気だけならまだ自分のタイプなのかもで落ち着くが趣味もAと被っており、「本当に好きなのか?」「Aっぽいから惹かれたのか?」「てか付き合うとは?」と自問自答している。こじらせている…

 AとBちゃんカップルは紆余曲折ありつつまだ続いているので、早く結婚式に出席して、私に踏ん切りをつけさせて欲しい。うっお幸せに、これからも長く続いてくれ。二人の幸せは本当心の底から願っているんです。


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