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はじめてがくれるもの。

11月から新たなお仕事を始めることになり、今とても慌ただしく過ごしています。先日出ていたセミナーで、組織に入った瞬間が一番モチベーションも期待値もエンゲージメントも高くて、みたいな話をチラッと耳にしたのですが、まさに。。。ただそこから現実のことをいろいろ知っていく中で、少しずつそれが下がっていく、だからこそ組織内でのコミュニケーションが重要、というのがセミナーの内容でした。

そうだよなぁ、と実感しながら過ごしつつ、コミュニケーションによって現状を良くしていくためには、まず前提としてその組織のメンバーとの関係作りが必要。そのための最初のコミュニケーションがそもそも結構大変なんだよなぁ、と改めて感じます。

よく転職や組織内でも異動があると、「人間関係を一から作り直さないと、、、」みたいなことが不安要素として挙がると思いますが、パラレルワークをするようになって、特にその最初の関係づくりの機会が増えた気がします。

私自身は初対面の人と話すのが苦手なわけではないので、関係づくりはそこまで億劫ではありませんが、それでも、あちこちでそれが重なると、ものすごく脳が疲れます。慣れた人間関係では使わない神経をフル活用して、相手のことを知ろう、少しでも理解しようとしているのだと思います。

リモートワークなので、ビデオチャットを使ったコミュニケーションだと顔の表情なども見えてまだ良いのですが、完全にテキストベースのやりとりだと、ものすごく気を遣ってやりとりしている自分がいます。書いたテキストを何度も読み返し、おかしなところ、失礼な言い方などないかなと確認して、緊張しながら送信ボタンを押す、、、。これをあちこちでやることになると、完全に頭がオーバーヒート状態になることを知りました。。。

脳は省エネしたがるので、テキストのコピーペーストでちゃちゃっとやろうとささやいてきます。もちろん使えるところは使いつつも、個別に何かコメントを工夫したり、名前を間違えないように確認したりと、細部に気を配って書いているとものすごく脳内でカロリーを消費しているような気がします。ついつい甘いものに手がのびるわけです。(言い訳ですが)

先日40年目の誕生日を迎えたので、加齢の影響を少しずつ感じている今日この頃ですが、脳も例にもれず、こういった新しいかつ手間のかかる情報処理スピードがこれまでよりも多少落ちているように感じました。これもしばらく繰り返していくうちに、ある程度は経験を重ねて慣れていくのではないかなと祈りも含めて思っています。

ただ、こういった「はじめて」の経験はいくつになっても大事だなぁと思います。真剣に相手のことを知ろうとする、理解しようと関心を向けることは、たしかにとても疲れるのですが、そこからしか関係性は生まれてきません。それを面倒くさいと思ってしまうと、新しい出会いそのものが減ってしまったり、相手の話をよくきけなくなったり、テキストメッセージや本の内容もよく読みとれなくなっていくのではないかと思います。

今回は、世代の違う人たちと関わることも多く、「ああ、自分もこういうときあったなぁ」と自分のこれまでを改めて思い出したりもします。また、関わりを通して過去の自分自身を改めて受容することにもつながりそうです。貴重な機会をもらっているんだなぁと率直にありがたく思ったり、ちょっとしんどい時には自分に言い聞かせたりもしながら、1歩1歩前に進んでいます。

「はじめてがくれるもの」とタイトルに書きましたが、この「はじめて」は国語の力にとっても、とても良い筋トレになると思います。新たな場や人との出会いは、新たな本や文章との出会いに似ているのです。そこで相手のことをできるだけ理解しようと1つ1つ真剣に、かつ丁寧に文脈を紐解いていく。それってつきつめていくとやっぱり楽しいことであり、ドキドキと共にワクワクも詰まっている。そういうところが自分は好きなんだなぁと感じます。

「最近、ちょっと自分の人生に慣れてきたかな」という方は、ぜひ改めて、自ら前に出て「はじめて」の場や機会に挑戦してみてください。決して疲れるだけではなく、大人になっても大切な国語の力も同時に鍛えられていくことでしょう。

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