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『つぶやきのクリーム』 森博嗣

森博嗣さんの本を読むのは本書がはじめてです。

『すべてがFになる』を読んでみようかと思っていたのですが、理系ミステリーはちょっと難しそうだなと思っていました。

森博嗣さんはエッセイも多数書かれているということを知り、それなら読めるかもということで手に取ってみました。

本書は、森さんの呟きとその補足文が100個書いてあるという本です。
呟きの内容は、人生や生き方、仕事における成功法など様々です。

真面目な感じがしますが、一つ一つが短いのでサクッと読めます。

今回は私が印象に残った呟きを3つ紹介します。

①成功する人は、成功する方法を知っているのではなく、失敗する方法を知っているだけである。

失敗をするのは、「危うい」方法で奇跡的な成功を目指しているときであって、成功するのは、数々の失敗しそうな方法を丁寧に避け、面倒だけれど着実な道を選んだときである。

成功するギリギリのラインを狙っていることがあったりします。高校生のときに受けた検定とかはとくにやりましたね…。

70点で合格なら、30点分は捨ててもいいじゃんみたいな。気持ちを楽にする方法のひとつではあるけれど、そんなことすくるくらいなら、少しでも点数が取れるように勉強したほうが絶対にいい!

余裕をもって乗り切ることを損だと感じてしまうということもありますが、それで失敗したら絶対に後悔するので、考えられる失敗への対策は怠らないようにしたいなと思いました。


②人生の勝ち負けは、勝率ではなく、勝ち数で決まる。いくら負けても良い。

失敗を沢山するから成功も沢山できるし、また、成功を沢山したから、沢山の失敗も許される。できるかぎり、その回転を上げて、どんどんチャレンジできる状況に持っていくことが大切だろう、と思える。

勝率よりも勝ち数を考えたほうが楽だなということに気づきました。勝率って上がったり下がったりするけれど、勝ち数は上がる一方。絶対に勝ち数を見たほうがいい。

また、「大きな成功の最大の障害とは、小さな成功である」という言葉がぐさっと刺さりました。

ちょっとした成功で有頂天になり、大きなチャンスを逃すことが多いということです。
チャレンジに成功したら嬉しくなって、つい長く余韻に浸ってしまいがちですが、なるべく早く次のステップに進むことを意識したいです。


③正直者が馬鹿を見るのは、その正直者が馬鹿だった場合だけだ。

一般的にいえることは、誠実であっても大成功するとはかぎらないけれど、誠実であれば、少なくともどん底の生き方にはならない。

正直者であるがゆえに、少し損をすることがあるけれど、周りの人から信頼されるから、ここぞというときには大きな得をするという話。

ちょっとした損を無視して、大きな得をしたと気づくことができるか。また、大きな得をしていなくても、誠実さを手放したくないと思えるか。

自己満足だとしても、誠実さは大切にしたいですね。


他にも色んなことを学んだ一冊でした。森博嗣さんのエッセイはまだまだたくさんあるので、他の作品も読んでみたいです。

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