25
はじまりの日はいつだって少しだけ特別で、ちょっとだけ大切にしたくなる。
その日何が起こったかに関わらず、大事な日として覚えておきたくなる日。
息を深く吸って、気持ちを改めたくなるような日。
たとえば、元旦や春分の日。
何かの記念日。
そして、生まれた日。
とくに大々的に祝うわけではないけれど、ただ、ちょっとだけ特別な気配を感じるのだ。起きた時にいつもより布団の中でじっとしまうような日。
名前のつくような日のことを、いつもそういう風に感じている。
はじめて誕生日ケーキを食べたのは高校1年生か2年生の時だったと思う。
誕生日を大切にしてはいけないと教えられていたから、誕生日を祝おうと思ったことも、誰か自分の誕生日をわざわざ伝えたこともなかった。
それで同じクラスの仲のいい子たちが私の誕生日を知っていてくれて、大きなケーキを作ってくれたのだ。昼休みかなにかに音楽室に連れて行かれて、その時ハマっていたヘイデイという牧場ゲーム風の手作りケーキが目の前に出てきたんだった……ような、そうじゃないような……(確か私の誕生日だったと思うんだけど、ヘイデイケーキは他の友だちの誕生日だっけ……?)
何年も前のことだから記憶は曖昧だけど、すごくうれしかったな。はじめてのことだったからびっくりしたけど、お祝いされてくすぐったかったけど、自分にとっての特別な日を誰かが覚えていてくれているということがとってもうれしかった。
それから時間が経った今も、自分の誕生日を祝おうという気持ちにはならない。だけど特別な日であることに変わりはない。
起きた時、布団の中で少しだけ今日という日について考える。いつもは歯医者さんの帰りにだけ買うスモークサーモンを、今日はなんでもないけど買っちゃう。そのくらいの特別な日。
少し立ち止まって、ここまでを振り返って、また前を見て、これからも続いていく毎日のことを、いつもよりちょっとだけ考える日なのだ。
24歳は、たぶん今までで一番忙しかった。
文字通り心を亡くしていて、誰にもやさしくなれなくて、自分にもひどいこといっぱいした。好きなことから離れて仕事だけしていて、心も身体も軽くなっちゃって、たくさん病院にも通う羽目になって……
本を描き終わって、過去の自分じゃなくて今の自分に向き合えるようになって、やっと少しずつ元気になって。
だからにこにこ25歳なのだ。
また旅がはじまった。
色々なところへ行き様々なものに出会うという意味での物理的な旅であり、自分に向き合うための内側的な旅でもある。
新しい相棒とも少しずつ仲良くなってきている気がする。
昨日もね、私の勘違いでうっかり雪山道に入ってしまったんだけど、格闘の末ちゃんと道路に帰ってこれたんだ……今年いちばんの恐怖だったなあ……
また色々なことに触れて、学んで、自分のことも周りのことも自分が過ごしている場所のことも大切にできますように。
誰のことも殺さず、誰にも殺されず、生きていけますように。
25日、にこにこ25歳、今年の目標は、学びと健康です。
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2月25日(金)8:30 起床
音楽、The Tourist・Small Light(Message To Bears)
本、天使日記(寺尾紗穂)
ゲーム、ヘブンバーンズレッド(Wright Flyer Studios × Key)
お隣のおばあちゃんからのお裾分け、稲庭うどん(秋田)
今日がんばったこと、マイナンバーカードの申請(デジタル庁?)と通販準備
お気に入りのお酒、グリュークリーク(リーフマンス)
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