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The Lost King 失われし王 ルイ=シャルル Ⅱ

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『スカラムーシュ』『海賊ブラッド』のラファエル・サバチニ作の古典小説 The Lost King(初刊1931年)の独自翻訳。ルイ=シャルルが濁流に消えてから14年。プロイセンの… もっと読む
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The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(1)男爵フォン・シュタイン

Ⅰ. 男爵フォン・シュタイン 国王擁立者という大望を秘めた卵が死によって砕かれた瞬間、ラサールの悲喜劇には幕が下りた。その幕は、それから十三年が過ぎて、フランスの玉座が皇帝によって再び占拠されるべく準備が進められるようになるまで、再び上がる事はなかった。ナポレオン・ボナパルト【註1】が自ら玉座に就かんとする素振りを見せ始めた事によって、かのコルシカ人が、往年の英国王チャールズⅡ世【註2】に対してマンク【註3】が果たしたのと同じ役割を演じてくれるであろうという、見当違いの期待を

The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(2)百合の後継者

Ⅱ. 百合の後継者 フォン・シュタインの陰謀が始動する以前に頓挫した事によって、ラサールは再び潜伏し、続く六年間、彼の活動史はまたも空白期間となっている。次に彼が浮上したのは、王政回復直後のパリだった。  フランスの王政復古、あるいはそれを可能にしたナポレオンの失脚については、枝葉末節を取り払って観察して見ると、その「建築主事」というべき役割を果たしたのが、男爵ハインリヒ・フリードリヒ・カール・フォン・ウント・ツム・シュタインであった事に気づかされる。彼は己に向けられた激怒

The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(3)贋金作り

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The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(4)さまよえる時計職人

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The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(5)国王擁立者

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The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(6)パサバン

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The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(7)誓約

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ラサールの三人の「師」(1)ルイ・ダヴィッド~偉大なるプロパガンダ芸術家

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ラサールの三人の「師」(2)バッツ男爵~浪漫と現実と

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The Recoil ~ブラッドハウンドとカメレオン

ⅰ  フーシェは、既に薄くなりかけている赤味がかった髪の下、その表情に内心を窺わせる事なく、目蓋を伏せ、猫背気味の身体を曲げ戻して、第一執政の激怒の旋風を正面から受け止めていた。彼の死人のような容貌は仮面の如く表情を変えず、血の気のない薄い唇は推量し難い微笑で緩やかな曲線を描いていた。  激怒のあまり犬のように歯をむいて唸り、不平を鳴らしつつ、ダヴィッドのデザインによる、金刺繍をあしらった灰薔薇色の執政服に包まれたボナパルトの活動的な若い痩身は、テュイルリー宮の高雅な室内

訳者あとがき

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