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ラファエル・サバチニの『海賊ブラッド』

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1685年イングランド。アイルランド人医師ピーター・ブラッドは、叛乱に参加し負傷した患者を治療した責めを負い、自らも謀反の罪でバルバドス島に奴隷として売り飛ばされてしまう。 後に…
Captain Blood本編の全訳に加え、時代背景の解説、ラファエル・サバチニ原作映画の紹介、短…
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2019年4月の記事一覧

海賊ブラッド (5)アラベラ・ビショップ

 ジャマイカ商人達がブリッジタウンにやってきた日から一ヶ月ほど後、よく晴れた一月のある朝…

vic isono
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海賊ブラッド (6)脱走計画

 その後、アラベラ・ビショップは埠頭の小屋に毎日果物を届け、更に後日、スペインの虜囚達に…

vic isono
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海賊ブラッド (7)海賊

 ジェームズ・ナトールは、この暑さの中をブリッジタウンからビショップ大佐のプランテーショ…

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海賊ブラッド (8)スペイン人

 あの堂々とした風格ある船は、偽の国旗を掲げてカーライル湾中に悠々と侵入してみせたスペイ…

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海賊ブラッド (9)叛逆流刑囚

 熱帯地方の紫色をした宵闇がカリブ海を包んだ刻、シンコ・ラガス号の守備をする為に残された…

vic isono
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海賊ブラッド (10)ドン・ディエゴ

 ドン・ディエゴ・デ・エスピノーサ・イ・バルデスは目を覚まし、痛む頭とけだるい目で、背後…

vic isono
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海賊ブラッド (11)孝心

 彼が行った誓約により、ドン・ディエゴ・デ・エスピノーサは、元々は彼のものであった船における自由を許され、彼が航海士の役割を引き受けた事により船の針路は彼に一任された。この船の乗組員達にとってスパニッシュ・メイン[註1]は未知の領域であり、そしてブリッジタウンでの経験があってすら、全てのスペイン人は即座に殺害すべき油断ならぬ凶犬であるという教訓を得るには充分でなかった為に、彼等はドン・ディエゴ自身の丁重で上品な態度に合わせた礼儀正しさで彼に教えを請うた。彼はグレートキャビン(

海賊ブラッド (12)ドン・ペドロ・サングレ

 シンコ・ラガス号とエンカルナシオン号は、礼儀正しくシグナルを交わしてから四分の一マイル…

vic isono
5年前