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ラファエル・サバチニの『海賊ブラッド』

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1685年イングランド。アイルランド人医師ピーター・ブラッドは、叛乱に参加し負傷した患者を治療した責めを負い、自らも謀反の罪でバルバドス島に奴隷として売り飛ばされてしまう。 後に…
Captain Blood本編の全訳に加え、時代背景の解説、ラファエル・サバチニ原作映画の紹介、短…
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海賊ブラッド (1)運命の使者

 医学士に加え他のいくつかの学士号を持つピーター・ブラッドは、パイプを燻らせながら、ブリ…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (2)カーク大佐の竜騎兵

 オグルソープの農場はブリッジウォーターから1マイルほど南、川の右岸にあった。蔦に覆われ…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (3)裁判長閣下

 それからピーター・ブラッドが大逆罪の罪状で裁判にかけられるまで二ヶ月足らず――正確な日…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (4)奴隷市

 ポレックスフェン氏は正しくもあり、同時に間違ってもいた――大抵の人間が思い描くよりも、…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (5)アラベラ・ビショップ

 ジャマイカ商人達がブリッジタウンにやってきた日から一ヶ月ほど後、よく晴れた一月のある朝…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (6)脱走計画

 その後、アラベラ・ビショップは埠頭の小屋に毎日果物を届け、更に後日、スペインの虜囚達に…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (7)海賊

 ジェームズ・ナトールは、この暑さの中をブリッジタウンからビショップ大佐のプランテーションまで全力疾走したが、仮に熱帯気候の真っ只中を走る為に作られた人間が存在するとすれば、それは背が低く痩せた体とひょろ長い脚の持ち主である、ジェームズ・ナトール氏を置いて他にいないであろう。彼は極度に疲労困憊し、もはや体中の水分を絞り尽くされたかのようであったが、しかし彼の体内に未だ水分が残っていたのは、砦柵(さいさく)に到着した時に噴き出すような汗をかいていたのを見れば明らかだった。  

海賊ブラッド (8)スペイン人

 あの堂々とした風格ある船は、偽の国旗を掲げてカーライル湾中に悠々と侵入してみせたスペイ…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (9)叛逆流刑囚

 熱帯地方の紫色をした宵闇がカリブ海を包んだ刻、シンコ・ラガス号の守備をする為に残された…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (10)ドン・ディエゴ

 ドン・ディエゴ・デ・エスピノーサ・イ・バルデスは目を覚まし、痛む頭とけだるい目で、背後…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (11)孝心

 彼が行った誓約により、ドン・ディエゴ・デ・エスピノーサは、元々は彼のものであった船にお…

vic isono
5年前
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海賊ブラッド (12)ドン・ペドロ・サングレ

 シンコ・ラガス号とエンカルナシオン号は、礼儀正しくシグナルを交わしてから四分の一マイル…

vic isono
5年前

海賊ブラッド (13)トルトゥーガ島

 ここで明かしておくが、キャプテン・ブラッドの偉業の数々が後世に遺されたのは、全てサマセ…

vic isono
5年前

海賊ブラッド (14)ルバスールの英雄気取り

 翌朝の10時頃、出航予定の一時間ほど前に、ラ・フードル号の舷側に漕ぎ寄せた一艘のカヌーから降りた混血のインディアンがラダー(梯子)を登っていった。その男はなめしていない毛皮のドロワース(股引)をはき、赤い毛布を外套代わりに引っ掛けていた。彼が運搬人を務めた折りたたまれた紙片は、キャプテン・ルバスールに宛てたものであった。  ルバスールは、その混血児が運んでくる過程で惨めなまでに汚れ、しわくちゃになった手紙を広げた。その内容は、大まかに翻訳すれば以下のようなものだった。