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短歌人 月例作品 2023年6月号

律儀なる一本の消化管として胃カメラ室の前に待ちおり

街じゅうに白木蓮がため息をこぼして春のあかるい夕べ

一周忌過ぎればふっと思うこと少なくなりて父の声遠し

漢方は食前に飲む香り高い前菜として桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

心には涸れることなき泉ありいちばん好きな曲を聴くとき

「短歌人」2023年6月号 月例作品 伊藤まり

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