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釣り暮らし

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自分で釣ったり採ったりした魚介たちを、あの手この手で食べます。たまに釣りと関係のない料理も登場します。釣りと暮らしの話です。
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#魚釣り

いろんな魚のひれ酒を飲み比べて喜ぶ

旅行に出かけてちょっとした旅館なんかに泊まると、夕食のオプションで「ひれ酒800円」とかがあったりして、旅の開放感から、いいね、ひれ酒、旅行ぐらいでしか飲まないもんね、ちょと高いけどせっかくだし、と調子づいて人数分頼むと、たいてい運ばれてくるのはちっちゃい器で、「え、少なっ」と悲しくなるものです。 それでも、まあこんなのは雰囲気雰囲気、となんとなくうやむやにしてきた結果、結局ひれ酒って美味いんか?値段と合ってるんか?実は雰囲気だけの奴じゃないんか?と、よく分からないまま、こ

マゴチのフォー|魚のあら出汁を堪能する

昨今、サステナブル、エシカル、アップサイクル、などのカタカナが花盛りですが、イマイチピンと来ない、という人は、身近な例に置き換えて考えてみましょう、と賢そうな人がぐいぐいとナビゲートをしてくれまくる世の中です。 ということで、自分の場合は釣った魚の「あら」(=頭や骨などの捨てられがちな部位)を起点に、資源活用、環境配慮、そしてなにより私利私欲を満たすための持続可能な方法を考えていこうと思います。では始めます。 魚の「あら」を正確に評価する方法 自分は釣り人です、というと

夏のイサキで塩焼きを見直す

塩焼きを忘れた私たち 魚の塩焼き。なんと素朴で原始的な食し方なのでしょう。あまりに原始的で私たちは塩焼きを軽んじてきたのではないでしょうか。 やれカルパッチョだ、やれアクアパッツァだなどと浮き足だったことを言って、基本の基本、塩を振って焼くというシンプルな魚の食べ方をいつのまにか忘れて、私たちはどこを目指し、何を得たのでしょう。 ムニエル、ポワレ、それもいいかもしれない。しかし時に自分には、そんなキラキラしたレシピの全てが、味玉・海苔・メンマ・焼き豚その他全部のせ12

鯛そうめんという食べ方

鯛が家中にあふれている 尾頭付きの鯛を6匹も在庫している一般家庭がどれぐらいあるのでしょうか。全国で100軒ぐらいはあるのでしょうか。その人たちはどのように鯛を消費しているのでしょうか。 というのも、我が家には土曜に自分が釣った真鯛4匹、日曜夜にお向かいさんから頂いた真鯛とヘダイ各1匹ずつ計6匹があり、週末にかなり食べたとはいえ、まださばいてない真鯛が冷蔵庫で出番を待っており、そのプレッシャーたるやえげつなく、仕事に支障をきたすレベルだからです。 寝かせるといっても3

なんでもかんでも炙ってみる

「(株)週末釣りに行かせていただきます」の定例会にて 株式会社というのは、当然株の所有数が多い人の発言権が大きくなるもので、事業の方向性なども株主の意向に沿う、または理解を得られるものにしていかねばなりません。 我が「株式会社週末釣りに行かせていただきます」の持ち株比率はというと、奥さん60%、自分30%、息子10%でありまして、週末釣りに行けるかはもちろんのこと、釣れた魚の調理法にまで筆頭株主の奥さんのご意向を仰がねばならないわけです。 しかし、時に経営者は株主の反

夏のハタ釣りで極上の清蒸(チンジャオ)を作る

需要のある魚を釣らねば 世の中は需要と供給で回っているのであって、欲しい人がいるからそれを作る仕事が成り立つ、というのを理解しないで自分の想い、情熱だけで、海で拾った流木でこけしを大量に作ったりすると、誰も欲しがらないどころか「これもう捨てていい?何に使うの?」などと鬱陶しがられるだけなので注意が必要です。 と、これは釣りにもいえることで、需要のある魚を釣って帰らないと「え、またカマス?もう飽きたんだけど」みたいなことになり、釣りに行くこと自体が歓迎されない風潮が家庭内に

ソウダカツオのうずわめし

ソウダカツオばかり釣れる異常な夏 毎年8月にもなると、南伊勢〜熊野方面ではシオ(カンパチの幼魚)が釣れる。30㎝ぐらいでも引きが強く、食べても、刺身良し、焼いて良しで釣り人からは人気だ。何より他の青物に比べて色白の美人さんで、白く輝く魚体と薄ピンクの口元が美しい。 ところが、今年はどこに行ってもシオの姿がなく、代わりにソウダカツオがめちゃくちゃ釣れる。カツオなんてこれまでは、たま〜に釣れたのを聞くぐらいだったのに。 異常気象で水温が上がってるからなのか、去年釣れたから

初めてウナギをさばいて食べた顛末記 後編

さばいている最中に感じた異変 うなぎといえども所詮は魚、背骨に沿って刃を入れて、身を切り離すだけではないか、簡単簡単チョーかんたん。将来は激安うなぎとカレーとコーヒーとたこ焼きが一緒に楽しめる店でも始めようかな?とおごり高ぶっていた自分に、ある違和感がおとずれました。 ・・・なぜ身が2枚あるのだ うなぎは背中から刃を入れて背骨と身を切り分け、腹の皮一枚で身をつなげて切り開く「背開き」にするのが定番。つまり正解は下写真のように開いた身と背骨に分かれるはずです。 でも自

初めてウナギをさばいて食べた顛末記 前編

テナガエビを釣りに行って、ウナギを持ち帰った日 前回、週末に息子くんと勇んでテナガエビを釣りに行くも、パッとしない釣果に終わりそうだったところ、我々に声かける者あり。 「親子でのべ竿釣りか。最近珍しな。ウナギもっていくか?」 川の漁師さんが船上から声をかけてくれたのです。忘れていましたが、その日は土用の丑の日。ありがたい話があったものです。 地元では割とウナギ釣りをする人も多いけれど、夜中のぶっこみ釣りが基本。釣れてもその後の工程が大変そうで、今まで自分で釣って持ち