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「心の栄養士」

2019年2月20日 深夜3時すぎ
「King Gnu 井口理のオールナイトニッポン」にゲスト出演し、カブトムシをデュエットするaikoさんをMixChannel越しに見ていたあの夜。
それから約1年後、僕はその憧れの人物の目の前にして、カンペを出していた。

放送作家として活動させていただくようになり、丸1年が経とうとしている。
デビューと同時にコロナ禍。とても不安定な世の中でとにかく目の前の仕事を全力でこなしてきた。“先生”という思いがけない肩書きもつき、何とか作家だけの収入で生きることができている。そんな怒涛の作家一年目のラストに待ち構えていたのが『aiko LOCKS!』。一年前、小さなスマホの中で戸惑いながらも熱唱していた憧れのアーティストによる箱番組だった。

aikoさんを初めて生で目にしたのは2017年の『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭』。それまでは時に「オ◯ニーーー!」と叫ぶ有名アーティストというイメージだったが、会場で聴いた『ボーイフレンド』・『ラジオ』・アカペラでの『カブトムシ』で一気に惹きこまれファンになった。

たまたまその時期にaikoファンの彼女ができたことで、aikoジャンキーぶりは一気に加速。初ライブだった2018年のLLA(Love Like Aloha vol.6)を皮切りに、LLP(Love Like Pop)には2回、LLR(Love Like Rock)には1回、時には大阪遠征をしたり、立川談春さんとの公演『玉響』にも参加するなど、学生生活の後半はまさにaikoさんに注いだといっても過言ではなかった。

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そんなaikoさんへの想いが詰まった状態での『aiko LOCKS!』。準備の段階から緊張はMAXだった。当日の振る舞いやそもそもの企画への不安感から四六時中「心の栄養士」のことばかり考えていた。何がベストなのか、どうすればaikoさんの良さを出せるのか。できればaikoさんのことを考えたくなくて、普段毎日のように聴く楽曲も聴かないようにしていた。考えすぎた結果、僕にはaikoさんの宣材写真の下にでかい寸胴が見えていたのはここだけの秘密である。

aiko 寸胴

(イメージ図)

収録当日。aiko先生は突然スタジオにやってきた。正直僕はガチガチだったと思う。打ち合わせ中、僕の話に「うんうん」と頷くaikoさんを俯瞰で見て「何だこの空間は?」と感じていた。1年前の僕に説明しても絶対信じてもらえない空間だったと思う。緊張のキャパオーバーの状態で迎えた1本目の収録。収録の合間にもaikoさんに「大丈夫?」と声をかけられるくらい、正直上の空だった。(プロとしては完全に失格ですね)

そんな中迎えた、3つ目の質問内容は「緊張をほぐすにはどうすればいい?」。たまたまではあるが、その時の僕にドンピシャな質問だった。そんな生徒&僕の悩みにaiko先生が出した心の栄養剤は「SMILE(スマ~イル)」。『意識的に笑うようにすれば緊張が減る、そうすれば自分のやりたかったことも改めて思い出せ、目標を取り戻せる』といったアドバイスだった。この心の栄養剤は真っ先に目の前の僕に効果を発揮した。とにかく笑うように意識したところ、力みが取れ、そこからaikoさんとも自然と話せるようになっていった。放送内であのデレデレ感というかアットホームな雰囲気を届けることができたのは、この栄養剤のお陰です。aiko先生、ありがとう。

その後の僕との謎のトークゾーンや某ールナイトニッポンパロディなどの無茶振りにも一切戸惑わずやり遂げてくださったaikoさんには感謝しかないです。とてもいい授業をすることができました。

正直なことを言えば、僕はこのタイミングで憧れの方と仕事をするのが嫌でした。もちろん人が嫌いなわけではありません。憧れの方に無力な様を見せたくなかったからです。しかしaikoさんはそんな要らぬ不安を丸ごと自信に変えてくれました。これから様々な仕事をしていくと思いますが、これほどまでの緊張を感じることって、そうそうないと思います。憧れの方と仕事ができたことで、今後に向けて新たなモチベーションも生まれました。1年目にこんな大きな仕事をすることができた、自分はとても幸運です。またaikoさんとお仕事できるように2年目も頑張っていきます。

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