190102
爪の色を新しく塗り直す。新年さいしょの爪はおめでたい感じにしようと決めていたから、赤と白と金のラメをちょこっと乗せた。白にもじつはよく見ると中にラメを挟み込んでいる。角度によってはいろんな色を、白の膜のなかから見せてくれるようになっていて気に入っている。手先がすごく不器用だから凝ったデザインのものはできない。加えて面倒くさがり。さいきんはネイルシールも安くてかわいいものがたくさんあるけれど、あれすらも、取るときが面倒だからという理由であまり使わない。ラメもほんとうは取るのがちょっとたいへんだから極力使いたくはないのだけれど。
祖父母の家に行って、新年の挨拶をする。弟一家も来ていて、広くない家はかなり人口密度が高かった。甥っ子一号は食が細くて(細いというか、ごはんよりもお菓子ばかり食べるタイプ)、二号はごはんもお菓子ももりもり食べていた。
祖父はわたしたち孫にもおそらく甘いほうであっただろうに、曾孫となるとさらに甘かった。あんな顔をする祖父はわたしの記憶にはいない。たぶん。
祖母の作ったお雑煮と天ぷらを食べて、ようやく新年だなあという気に、すこしだけなった。まだ半分くらいはぼやっとしている。お仏壇に手を合わせて、ふたりの曾祖母と曾祖父にも挨拶をした。曾祖母のひとりとわたしの顔は実子である祖父も認めるほど「親類のなかでだれよりも似ている」。曾祖母の遺影を見るたびに、わたしは大和川で拾われてきたのではなく、曾祖母から祖父、祖父から母、を通ってきた遺伝子をもって創られたのだなあとおもう。
年のはじまりという節目には、血のつながりによる縛りで否応なしにかなしいくるしいつらいおもいをするひとたちもきっといる。わたしはことしどんな形であれ仕事をしているから、最低限、社会のなかに居場所をもらえているから、祖父母に会うのもだいじょうぶ。
孫として、娘として、姉として、だいじょうぶ。
優等であるかどうかはさておいて。
ふだんは夢の内容を覚えているほうなのだけれど、ことしの初夢を思い出せない。
ただ、ふとしたときに、その欠片の輪郭のようなものが霞むような感覚に触れる。スマートフォンの右上の角に目を向けた、その一瞬に。