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<BACK NUMBER>『ちゃんとやる』より『楽にやる』」+憲法「職業選択の自由」

みなさん、こんにちは。
伊藤塾行政試験科の高木美雪です。
 
 
桜の季節もあっという間に過ぎ、
「GW明けまでに挽回せねばっ!」
と気合いを入れ直している方も多い
のではないでしょうか。
 
 
突然ですが、みなさんは、
下のチェックにいくつ当てはまりますか?
 
 
□あれもこれも頑張る
 
□計画を立てて、その通りに進めないと気が済まない
 
□今できない理由は探せる
 
□法律の学習は「難しいこと」と思っている

 
 
1つでも当てはまった方。
GW明けまでに息切れしないよう、
一緒にゆる~り、楽な学習をしましょう!
 
 
合格講座のみなさんには、
学習継続サポート動画でお話していますが、
 
「ハードル下げて、楽して、手抜きして、短時間細切れで、チリツモ最強!」
 
 
例えば、年末。
 
「今日1日で家の中をチリ1つなく、完ぺきに仕上げるぞ!」
と、毎年思うのは私だけでしょうか笑
 
 
「となると、雑巾縫って、バケツ用意して、
 カビキ〇ーでキルされないように
 マスクと手袋用意して、家族全員を追い払って
 …むむむ、えらいこっちゃ!」
と考えただけで、結局萎える…。
 
それよりも、
「朝、洗面所を使ったら、自分が使ったタオルでついでにひと拭き。」
 
「家族と取り合いで長風呂はできないけれど、
 行水のついでに床を洗って、カロリー消費。」
 
などと、楽な「ながら」にしておけば、
チリツモでも、あら不思議。
とりあえずはなんとかなっている(…たぶん)。
 
学習も、こんな調子で進められれば、まずは十分かと。
 
教材をコピーしてそこらじゅうに置いておく
 
スーツのポケットに過去問を
くちゃくちゃにして突っ込んでおく

 
チラ見しがちなスマホの画面に、
ポストイットでキーワードを貼り付けておく
…。
 
ハードルを上げて萎えてしまっては、
もったいないですからね。
こんな感じで、まだまだ大丈夫!
 
 
というわけで、本家チリツモ作戦。
 
今日のお題は、こちら!
 
 
Q. 医薬品の供給を資格制にすることについては、重要な公共の福祉のために必要かつ合理的な措置ではないとして、違憲判決が出されている。
 
 
 
さて、この記述は〇か×か、どちらでしょうか?
 

制限時間は15秒!
 
 
 
 

 
 
 
 
…はい15秒!
 
 

 
正解は、×
 
 
判例は、薬事法(当時)が、
薬局の開業を有資格者の許可制にしていることについて、
公共の福祉に適合する目的のための必要かつ合理的措置
として認めています。
 
 
一方で、薬局の適正配置のために距離制限を課すことについては、
不良医薬品の供給防止という消極目的にとって
必要かつ合理的とはいえないとし、違憲としています。

 
ざっくりいうと、
「薬局を開業したかったら、薬剤師さんを置きなさい」
とすることはOKだけれども、
「薬局同士は、必ず100メートルあけてオープンさせること」
とするのはNGということ。
 
不良医薬品の出回りは、距離云々よりも、
行政上のパトロールで防げますからね。
 
 
職業選択の自由と営業の自由は、
共に22条1項で保障される
と解されています。
 
 
通説は、これら経済的自由権に対する制約を
目的二分論を用いて解釈し、
判例もまたこの理論を採用している

としてきました。
 
 
目的二分論とは、
規制目的を、消極目的と積極目的に二分する理論です。
 
 
消極目的規制とは、
自由国家・消極国家の理念に基づき、
国民の生命健康に対する危険防止や
最低限の秩序維持を目的として行われる規制です。
 
 
積極目的規制とは、
福祉国家・積極国家の理念に基づき、
社会経済政策として行われる規制です。
 
 
消極目的規制は積極目的規制に比べて、
裁判所がその正当性を判断しやすく、
そのため、やや厳格な審査基準が妥当する
とされています。
 
 
その通説によると、
最高裁は、薬局距離制限事件において、
消極目的規制を厳格な合理性の基準によって判断し、
違憲としたとされます。
 
 
一方、
最高裁は、小売市場距離制限事件において、
積極目的規制を明白の原則によって判断し、
合憲としたとされます。
 
 
イメージは、
「昔ながらの小さな八百屋さんを、
 大型ショッピングモール出店に距離制限を
 かけることで守ってあげるのはOK!」
ということ。
 
 
なお、近年では、
目的二分論や判例解釈について、
学説から批判が強まっています。
 
 
例えば、公衆浴場距離制限についての
一連の判例を挙げます。
 
公衆浴場距離制限の目的について、
昭和の判例は、消極目的規制と認定しました。
 
 
しかし、平成に入る頃の判例は、
積極目的と認定したり、どちらとも認定せず、
規制を合憲とした判断もしました。
 
 
イメージは、「お風呂のない戦後昭和の時代は、
清潔な銭湯のお湯に国民が浸かれるようにしたかった。
でも、お風呂が各家庭に普及した平成の時代は、
経営が大変な銭湯を、商売として直接保護してあげたい。

距離制限の目的の解釈は、時代によって変わっていくよね。」
ということ。
 
 
さらに、最高裁は、酒類販売免許制事件において、
消極目的でも積極目的でもない財政目的の規制について、
明白の原則よりやや厳格な基準によって合憲
としました。
 
 
イメージは、
「免許制は、小さな酒屋さんを守るためでもなく、
 国民の健康を守るわけでもなく、
 ただ税金を取りたてたいだけ。それでもOK!」
ということ。
 
 
試験対策としては、
上のざっくりとしたイメージを押さえておければ、
余裕の合格点。
  
今回もチリツモ作戦は、大成功!
 
では、また~!
 
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GWを使って、判例対策しませんか?