いとバイ通信39 自然食の本の案内

いとバイ通信39  自然食 おすすめ書籍

2020.7.24(金)

自然食に関する書籍はたくさんありますが今回はその中で特に私が皆さんにお薦めしたい本を毎回1冊ご紹介していきたいと思います。今回は

沈黙の春  レイチェル・カーソン著 新潮文庫

この本は1962年実に58年前に書かれた名著です。当時世界中の農業では農薬や化学肥料が無批判にどんどん使われていたのです。著者自身も専門家ですが各専門家を訊ね当時使われていた農薬の問題点を明らかにしていきました。表題である沈黙の春とはこのまま無反省に農薬を使い続ければ生き物が全滅し生き物のいない静寂の春が来るだろうという意味で付けられた題名です。

私が印象の残っているのはその中で論ぜられた農薬をかけることによってほとんどの生き物は死滅しますがそこで僅かに生き延びた生き物(例えば害虫)だけが子孫を作り出します。この生き延びた生き物だけは農薬が効かなかったことになります。昆虫は成虫になる期間が圧倒的に短いのですぐその子孫は増えていきます。そして生き延びた昆虫にはこの農薬の耐性を持った昆虫が生まれていくというのです。

ですから同じ農薬を使っているとその効果はだんだん効かなくなるという運命にあるのです。ですから農薬は未来永劫に同じ効力を持つことはできません。しかし農薬は確実に自然界に大きなダメージを与えそのサイクルの頂点にいる人間にも大きな害を及ぼすのです。この本ができて全世界に大きくインパクトを与えたのでした。

当時の日本の農薬使用量は世界の15%位あったのではと主張する専門家もいます。日本は実は世界有数の農薬使用国だったのです。この本が起こしたセンセーションで世界中に新たな活動が発生しました。日本でも有機農業の運動が広がりました。私が関わっていた自然食の運動はその一つです。しかし今の農薬を使用する農業が主流なのは変わっていません。

九州の各県では有機農業研究会という組織があり有機農業を推進する活動が行われています。全国版のこの研究会もありその活動に共感する消費者組織もあるのですが消費者全体からみるとわずか数パーセント(1%に近い)の人々が参加している組織にすぎません。この本に書いてある内容は今も問題の本質を正確に照らす指針となっています。

この本が書かれた頃は農薬の問題だったのですが現在の状況は以下のような問題に移行してきています。大規模農業にとって機械化の壁となっていたものが除草作業でした。これを解決しようと考案された技術(?)が遺伝子組み換えです。最も普及している除草剤を浴びても枯れない作物にするためにその作物(例えば大豆)の遺伝子組み換えを行うのです。

現在この技術を使って大農場で栽培された穀物が日本の輸入穀物の大部分を占めるようになっています。日本の畜産の餌の大部分は輸入穀物です。この技術を使った餌が与えられています。私たちが食べる肉、卵、牛乳でこれらの穀物を使用していない物はほぼないと言っても間違えではない状況なのです。恐ろしいと思いませんか。

※ 「#いとバイ通信」のブログにこれまでいろいろ書いてきています。ぜひご覧ください。

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※ストリートドリームズの活動についてはこれからもこのいとバイ通信でお伝えしていきます。


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