美容師が教える、絶対に失敗しない前髪の切り方
操作イトウです。
このご時世ゆえ、どこへ行くのもためらってしまいますね。お留守番に不安な、まだ小さなお子さんをお持ちのママたちには、美容室は後回しになってしまいます。
そこで今回は、前髪のセルフカットについてです。
美容師さんに「前髪は自分で切っちゃダメ!」って言われたこともあるかと思います。この手の方法論は、美容師さんによっては見せたがらない方も多いと思います。営業妨害かもしれない。
僕としても、テキトーな投稿で一般の方に勘違いして欲しくないので、出来るだけ必要な要素を書き込んでいます。
「自分で切ったら大失敗しちゃった、どうにかして!」と言われることもあります。が、それはどうにもなりません。美容師さんは切った髪は伸ばせません。
ママが切って失敗したお子さんの前髪は可愛いから、僕的にはアリだと思ってますが、
美容室に行って帰ってくる時間も、いくらかお金を払うのも節約したい、前髪のためにわざわざ美容室行くのも面倒。
そんな、前髪だけなら切っちゃいたいママさん達のためにも絶対に失敗しない(しにくいってホントは言いたい)前髪の切り方を伝授します!
よくある失敗↓
「一か所だけ短くなっちゃった」
「幅が広くなっちゃった」
「前髪が薄くなっちゃった」
「やりたい感じと違う」
といったところでしょうか。これらの失敗が解決される方法を説明します。
どんな前髪にする?それはある意味美容整形
顔にかかる部分である前髪(バング)は、特にヘアスタイルの見た目の印象を左右します。
ちょっと大げさですが、前髪は、まるで美容整形したかのように、その人の顔の印象を決定付けることができます。
「顔」は人にとって最もパーソナルな部分で、その人その人のアイデンティティが滲み出る部分です。言わずもがな、持って生まれた「顔立ち」は自分の意思とは関係なく、特にコンプレックスの対象になりやすい部分です。
表情ひとつがコミュニケーションの大部分を占めるその顔が、髪の毛にかかって隠れているのか、いないのかによって、人は心理的に、その人が外交的なのか、内向的なのか、また個性的でありたいのか、ステレオタイプでいたいのか、など初対面の人に対して、直感的に感じ取ることができるようです。
前髪はおでこや眉毛にかぶさるようにかかりますが、このかかり方によって印象は変化します。というより、おでこと眉毛が見える加減によって、印象が変わります。
おでこは顔のパーツの中でも特に大きな面積を占めています。
おでこがあたえる印象
おでこが出ていると、
外交的、強気、カッコいい、大人、精悍、活発、ハキハキしている、賢い、仕事ができる
と言った印象をあたえやすくなります。
逆におでこが隠れていると、
内向的、優しい、可愛い、子供、柔らかい、ナヨナヨしている、幼い、芸術性がある
と言った印象をあたえやすくなります。
また、人の表情が出やすい眉毛が見えるかどうかも、大きく印象を左右します。
これらの見た目の違いを、イラストで解説していきます。
イラストは女性向けのヘアスタイルで表現していますが、男性でも同じ効果が得られます。
また、前髪以外の顔と髪型はコピー&ペーストして同じ条件にしています。
眉下ぱっつん
真っ直ぐに下ろすぱっつんは、幼い、可愛い印象が特徴です。顔の面積が少なくなり、顔のパーツが真ん中に集まったように見えるため(求心的)、丸っこい=子供っぽく、目が大きく見えます。
また、眉毛とおでこが見えにくく、表情を隠している印象があるため、内向的な印象も与えます。
眉上ぱっつん
幼さがありながら、眉毛が出ることで感情が見えやすく、活発な印象が特徴です。個性的な印象のため大人がやるのは少数派で、アーティスティックに見えるようになります。
眉下ギザギザ
眉下ぱっつんと長さは変わりませんが、眉毛とおでこが見えやすくなるため、程よく表情が見える、柔らかい印象が特徴です。先細りになって髪の毛が動きやすいため、カジュアルで活動的な印象も与えます。
眉下流しバング
眉下ぱっつんと同じ長さで、6:4、または7:3程度に分けて流すことで、眉毛とおでこが見えやすくなり、可愛さと大人っぽさの中間といったところです。おでこが見えることで、爽やかさが出たように見えます。
バング無し
前髪が全体と一体化して、おでこから縦長に顔が出る状態です。求心的な眉下ぱっつんと対照的に、顔のパーツが縦に並ぶことで丸い=子供っぽい印象が抜けて、シュッとして、大人っぽくなります。
かきあげバング
手ぐしでかきあげて後ろに流すと、バングの根本が立ち上がり顔の全面が出ることで、活発でカッコいい印象になります。男性のオールバックもこれにあたり、精悍で仕事ができる大人っぽさが増します。
このように、同じ顔立ちでも、前髪のあり方で印象は大きく変わります。自分がどれが好みか、どう見られたいかによって、前髪を選んでみましょう。
用意するもの
・ハサミ
髪の毛用のハサミの方がベターですが、前髪だけなので細かくは指定しません。文房具のハサミで十分です。
細かい作業なので、お裁縫のハサミみたいに大きすぎず、鼻毛用ハサミみたいに小さすぎないのがよいでしょう。
ですが一点、ハサミの切れ味をチェックしましょう。
最低限、何回かハサミを開閉しても刃が突っかからないものにしましょう。ティッシュを一枚用意して、片手でぶら下げたまま(引っ張らない)ハサミでスッと切れるものであれば、切れ味は申し分ありません。
簡単にハサミの切れ味をアップさせるコツがあります。
使う物が高級なハサミでなければ、アルミホイルを刃の長さ分切り取って、サクサク何回も切ってみてください。アルミを切る時の摩擦によって、少しですが切れ味がよくなります。
*すきバサミ(セニング)について
髪の量を均等に減らすのがすきバサミですが、一回の開閉でどれくらい減らせるか、そのハサミによって大きく違います。
すきバサミの使い方は載せていませんが、使う時は一回の開閉ごとを確認しながらにしましょう。
・コーム
ブラシ、でなくコームを使いましょう。コームの方が髪の毛を扱いやすいです。
・ダッカール(髪の毛を留めるもの)
短い毛を留めやすいダッカールがベターですが、なんでもいいです。
とにかく分け取って、留めておけるものを使いましょう。
前髪の最大の敵「生えグセ」
前髪の形を決めて、分け取っていざ!と言いたいところですが、顔周りの髪の毛は全体よりも毛が細く、クセが出やすくなっています。
髪の毛が生えてくる方向、それが「生えグセ」です。
例えば、ぱっつんにしたくて真っ直ぐに下ろしても、生えてる方向、向いている方向が違うと、毛先の向きはまるで変わってしまいます。
ただし、生えグセに種類というものはなく、人によってそれぞれです。
いつも同じところで分けていて、分け目にできた生えグセが強く残っていると、ぱっつんにしたくても、その分け目でパックリ割れてしまいます。
理想の前髪が作れるかどうかは、美容師さんに見てもらうのが一番確実でしょう。
美容師は持ち上げて切ってる
美容師さんが髪の毛を切る動作は、頭から髪の毛を持ち上げて先端を切っているように見えますよね。
持ち上げる方向も様々ですが、この引っ張る角度(高さ)によって、切った髪の毛の印象が大きく変化します。
上図 引っ張る角度を緑(中心)から直角に設定して切ると、青(一番下の髪の毛)はと赤(一番上の髪の毛)の長さは同じになります。
下図 引っ張る角度を赤から直角に設定して切ると、赤は短く、青は長くなります。
例として平面で説明していますが、実際の頭は球体なので、引っ張る角度は美容師から見て上下左右、手前・奥、と、動きに合わせて髪の毛の切れ方は変わっていきます。
髪質(ウェーブ)
髪の毛の形状には種類がありますが、ここでは特にカットに関わりやすいウェーブ具合を、指で測った大体10cmからタイプ分けします。
・まっすぐ
いわゆる直毛です。動きが出て見えにくいのが特徴です。短いとツンツンした印象になりやすく、長いトストンと落ちた印象になります。
・Cカール
ウェーブと呼ぶうちに入らないほどゆるい髪の毛ですが、直毛よりも動きや立体感が出やすいので、自然な印象になりやすいです。
・Sカール
何もしないでいてもウェーブが見て取れるレベルですが、ドライヤーなどで乾かしながら伸ばしたり、逆に強調できたり、ヘアスタイルの幅が広いのが特徴です。
・くりんくりん
このあたりからはしっかりウェーブに見えます。ウェーブを活かしたヘアスタイルであればパーマ要らずのため、プラスに働くこともありますが、悩みの種になりやすいレベルです。
上手にブローができないと真っ直ぐにはならないため、ストレートパーマをする方も多いです。
・じりじり
ボリュームが出やすく、頑張っても爆発するレベルです。黒人の髪質に近いと言えます。ヘアスタイルに関して「出来るか、出来ないか」から考える必要があるため、
上手な美容師さんに出会えていないと、悩みの種になりやすいと思います。
前髪を分け取ってみよう
美容師は、下図のように、分け取った三角の部分をバングとして切ります。
頭を縦に分割した線(「正中線」とよびます)を支点に、切りたい前髪の分厚さによって三角の深さを変えます。
三角が深く大きいほど前髪は分厚くなりますが、耳上から引いた線(「イヤートゥイヤー [ear to ear] 」と呼びます)と交わるてっぺんから見て、1/3、1/4程度が適切です。
端っこはだいたい目尻の辺りです。それ以上広げると、ちびまる子ちゃんとか、チコちゃんみたいにデフォルメされた顔デカになります。可愛いけどね。
髪の毛は、球体である頭から放射線状に下りているので、この三角をつくることで、丸みのあるおでこにかかってくる髪の毛だけを切れるようになります。
よし、切るぞ〜!
① 髪の毛は乾いた状態で切りましょう
濡れた状態の髪の毛は、乾いた状態よりも長く見えています。クセの強さや生えグセもわかりにくいため、必ず乾かして始めましょう。
② 毛束を持ち上げない、引っ張らない
前述したように、髪の毛は持ち上げて切ると、上と下の長さが変わります。また、毛束を持って引っ張ると、ウェーブの状態が伸びてわかりにくくなります。
これを計算するのは非常に難しいため、必ず下ろしておでこに近い位置で、軽く支える程度に持ちながら切りましょう。
③ コームでよくとかす
真っ直ぐ下ろす、軽く流す、などをイメージしながら、コームでとかして形を誘導しましょう。
必要なところは残すし、いらない部分は切る、と状況が見える化します。
④ ハサミは縦に入れて切る
これが一番重要です、ハサミの先っちょでちょっとずつ切ってください。
ハサミの持ち方、とか気にしなくていいです。安易に切りたいラインに真横にハサミを入れると、だいたい絵に描いたような失敗になります。
とにかく刃先を髪の毛に対して縦(すこしだけ斜め)に切りましょう。これによって、バツンとハサミで切った線が残りにくくなります。
また、ちょっとずつ状態を見ながら切ることで、「ちょっと切り過ぎた」失敗も、修正しやすくて失敗っぽく見えなくなります。
これは、美容師さんもやっている常套手段です。
手際よくやっているだけで、実際、美容師さんも前髪はかなり慎重に切っています。前髪がコームの歯の一つ分違うだけで見た目の印象は変わって見えるので、初めは気持ち長めから切るとよいでしょう。
さあ、やってみよう!
便宜上キャッチーな言い方をしましたが、それでも絶対に失敗しない、とはいいきれません。ですが今後とも、美容師が明かしたがらない部分をお見せしたいと思っています。
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