いとはる

南の島で小学校教員しています。子供たちの輝く眼差しを大切に、教育や学び、日々の実践等を…

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南の島で小学校教員しています。子供たちの輝く眼差しを大切に、教育や学び、日々の実践等を綴っていきます。

最近の記事

目的・願いを認識させる

あなたが担任なら、どんな対応をとりますか? 《事例》 低学年のころから仲良し女子のAさんとBさん。4年生になってクラスが離れてしまいました。それでも,お互いの教室を行き来し,仲のよさは続いているように見えました。しかしAさんは,新しいクラスで,新しい友達ができて,その友達とも遊びたいと思うようになっていきました。そのためか,Bさんと遊ぶ回数が減っていきました。おもしろくないBさん。しだいに,Aさんの陰口を言うようになっていきました。Aさんは,Bさんの対応に傷つき,先生にうっ

    • 子供は大人を簡単に越えていく

       今回の道徳授業のテーマは平等。学習指導要領の言葉では「公正、公平、社会正義」という部類になります。今回は、事前の予習で子供たちの感想に多く出された「平等」という言葉を使って授業を展開しました。ちなみに小学4年生が対象です。キッシュ@令和道徳のススメ さんの記事を参考に授業しました。  さて、タイトルにもある「平等ってどういうこと?」と問われたらどのようにお答えになるでしょうか。小学校道徳(中学校でも同じですが)で扱う事柄は、私たちが普段あまり意識することなく、言い換えれば

      • 一体感

         体育でやっている長縄の様子です。子供たちの目標は,「回数だけを追い求めず,楽しく跳ぶ」ことです。この目標が出されたことも私にとっては素敵なことだと感じていました。 すると今回,また素敵なことが起きたのです。  目標の達成にために,少人数で跳ぶことから始めたあるチーム。一人が跳んでいる横で,残りのメンバーは見学。のはずでした。  しかし,見学しているメンバーの一人が,長縄を跳んでいる仲間の跳ぶタイミングに合わせて,エア長縄を始めたのです。その行動につられ,他のメンバーも

        • 学びをつなぐしかけ

          解決の見通しを持たせて授業を終える  国語の授業で「その疑問は漢字辞典を使うと解決できそうだね」と私が伝えた次の休み時間の様子だ。その授業は部首の学習をしていたのだが、休み時間に辞書を持ち出して「先生見て。ここにいっぱい載っているよ。」と報告してくれた。すぐに写真を撮って,学級通信で発信した。  単調になりがちな漢字学習。例えば単元の前半で,新出漢字を書いたカードを2枚ずつ作らせる。10個の新出漢字があれば,20枚のカードができるということ。そのカードを使って,神経衰弱を

        目的・願いを認識させる

          できると信じる

           給食準備中に,Kさんが慌てた様子で教室に戻ってきた。Kさんは給食当番で給食室へと行ったはずだった。 「先生,魚が落ちました。」 正確には“落としました”だよなと思いながら聞いていると, 「ティッシュどこですか?それから,ビニール袋は?」 どうやら,すでに片付けのことを考えているらしい。もしここで,「どうすればいいですか?」と聞こうものなら,「自分で考えて」と言うところだった。  しばらくして給食室に行くと,KさんとNさんが落ちた(落とした)魚を片付けていた。T先生

          できると信じる

          「良かれと思って」が危険

           昨日,「考えるのがめんどくさい」と言われ,記事をアップした後,自分の中で悶々とする状態が続いていた。帰宅の車中、お風呂の時間、寝る前といろいろなことを考た。そして出された結論。 ・私は子供に、私の願いを押しつけているのかもしれない。 ・どうして私はもっと子供に寄り添えなかったのだろう。 ・無意識に、子供の考えを否定していたのかもしれない。もちろん良かれと  思って。 ・しかし、考えることをやめてしまった子を生みだしてしまったことに変わ  りはない。 では、どうするべきだ

          「良かれと思って」が危険

          子供に言われた

           私は,私の願いを子供に押し付けているのだろうか。この記事を書きながら,そんなことを考えている。 国語の時間にこんなことがあった。 ① 黒板に簡単な問題の答えを書いてもらう人を、ランダムに選んだ。 (選んだのは私。私を含め誰も誰が選ばれるかわからない状態で行った) ② 男子1名。女子4名が選ばれた。 ③ 「かわいそう」という声が聞こえた。 ④ 「不平等だ」という声が聞こえた。 ⑤ 私が「どうしてかわいそうなの?」「どのへんが不平等だと思うの」と聞  いた。 ⑥ 「考え中」

          子供に言われた

          清掃指導って,意外と奥が深いかも

           教師なら,そのほとんどの方が行う清掃指導。私の勤める学校では,朝の清掃活動(ボランティア)がある。早めに登校した子が,教室の清掃をするというものだ。  私はその時間,上級生の委員会活動(屋外活動)に付き添うため教室を空けている。しかし昨日・今日は雨天のため教室にいた。すると,これまで見えていなかったことが見えてきた。  まず活動時刻になると数名の女子がほうきを手に掃除を始める。それに数名の男子が続く。教室には様々な子がいた。前日できなかった宿題をやっている子。黙々と読書

          清掃指導って,意外と奥が深いかも

          ママ、今日ね、鉄棒頑張ったんだよ

           休日、4歳になったばかりの娘と近所の公園に行きました。行き慣れている公園です。どこにどんな遊具があるのか、遊具の遊び方などは熟知しています。ひとしきり遊んだ後、ベンチで休憩。  慣れた公園ですが、娘は父親の私が近くにいないとなかなか遊ぶことができなかったのです。見知らぬ子がたくさんいる。1人では怖くてできない。おそらくこのような理由なのだと思います。しかしこの日は私が少し離れても、おそるおそる遊具の階段を上り、高い場所から眼下の私に手を振ることができました。 「今度は1

          ママ、今日ね、鉄棒頑張ったんだよ

          楽しいことしかない

           教師には「空き時間」というものがある。自分以外の教諭が,自分のクラスの授業を担当する時などのことを言う。私はたいていこの空き時間には,子供たちの宿題のチェックなどの事務処理を行っていた。 「空き時間には同僚の授業を見に行きなさい」  前任の教頭先生の言葉である。「そんなこと言っても時間ないし」と子供みたいなことを思っていた私だが,今日,ようやく重い腰を上げた。すると,予想以上に楽しかった!!  今日,参観したのは図工の授業。今年度初めての図工ということで,先生は授業の

          楽しいことしかない

          食と食事と空気感と

           学校再開後,初の給食。ついにこの日がやってきたと喜ぶ子供たち。しかし・・・  今年度の給食にはたくさんのルールが追加された。 ①席は全員前を向いて食べること。(いつもは机を向かい合わせ,グループをつくる) ②もちろん,会話は禁止。 ③おかわりも自由にはできない。 ④食べる直前までマスク着用。  数え上げるときりがない。これも,コロナ感染予防のため。子供たちの命を守るため。いたしかたない・・・。  ただ,無言の給食時間は違和感しかなかった。子供たちに人気のハヤシ

          食と食事と空気感と

          忘れていた大切なこと

           ある女の子が廊下に落ちている帽子を拾って  「先生,帽子が落ちていたんだけど,誰の物かわからないんだ」 と言ってきました。  私はこの時点で,なんて素敵なのだろうと感じていました。だって,別に見て見ぬふりだってできたはずなのに,わざわざ誰の物かわからないけど,どうにかしたいという気持ちがあったわけなのですから。  私も誰のかはわからなかったので,とりあえず私の机に置いておくことにしました。すると, 「先生,その帽子。」 別の女の子が私のもとにやってきて言いました

          忘れていた大切なこと

          成長的マインドセットと教師の関わり

           レッテルというとマイナスイメージをもつ。では「頭が良いというレッテル」とは何か。  褒めるときには結果でなく過程を褒めるというのは教師の世界のみならず,よく言われていることである。しかし,大人は(私は)意識せずに結果を褒めてしまうことがある。それが絶対にダメということではなく,それだけになってしまってはダメということだ。  「頭いいね」と褒められた子供は,その「レッテル」がはがされないように難しいことに挑戦しなくなるというのだ。  確かに,この子ならできると思って挑戦さ

          成長的マインドセットと教師の関わり

          コミュニケーションの天才

           国語の単元に「こんなところが同じだね」というものがある。友達との共通点や相違点を見つけていくという内容だ。  このように書くと味気のない単元のように感じる方もいるだろう。しかし内容はビジネス本に書いてある,話し方や表情,話題の振り方等のコミュニケーションスキルをフル活用していくものである。そして,大人が真剣に本から学ぼうとしている(私はそうしている)このスキルを,子供たちはごく自然に発揮していた。  例えば,「相手に質問する前に自分から話す」「え,どうして?」「それって

          コミュニケーションの天才

          算数っておもしろい

           休校明けの最初の算数。単元は「大きな数」。子供たちは,久しぶりの本格的な授業に対して,どんな反応を示すのだろうと,少し不安でした。授業では,未習事項(億・兆の位)の数字を織り交ぜたゲーム的活動を仕組みました。  すると子供たちは,3年生までに学習したことを使ったり,生活の中で見聞きしたことを使ったりしながら,「億」や「兆」の位の数字に対して読んだり書いたり,仲間分けしたりと,どんどん未習事項に挑んでいきました。  この記事だけでは授業内容や子供たちの様子をお伝えするのは

          算数っておもしろい

          ちいさなガッツポーズ

           今日は第2グループが初めて登校する日です。昨日同様に,自己紹介ゲームを行いました。しかし,実際には昨日と同じにはなりませんでした。  自己紹介ゲームとは,私が出す5問の選択クイズに答え,自分と同じ答えの人を探すというもの。その際に,自己紹介とちょっとした会話が生まれます。  3問目までを出題した時に,昨日と違ったことになりました。 「先生,自分で問題を創ってみたい」こんな発言が飛び出したのです。私は嬉しくなりました。なぜなら,私が授業のキーワードとして持っている「創造

          ちいさなガッツポーズ