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打ち捨てられた夢の欠片を、思わず私は拾っていた。ありがとう、ジャニス

 また、お茶ノ水レンタルCD&DVD店、ジャニスの話である。

 11月30日に閉店の最終セールが終わった後、さらに12月8日と9日に最後の最後の在庫セールがあった。

 その期間は、入場制限があり、整理券が出され、二時間半待ちという事態になることもあったらしい(私はそこまで待たなかった)。

 私は数日に渡って通い、たくさんたくさん買った。買うというより、譲ってもらっている気分だった。

 その帰り道。
 御茶ノ水駅までの歩道に、小さなそれが落ちていた。
 ジャニスの閉店セールの整理番号券である。
 閉店セールには、これがないと入店できないはずなので、ジャニスがあまりに混雑しているので諦めて、入店せずに帰ったのだろうか。あるいは入ったものの、買いたいものが、なかったのだろうか(商品と引き換えにこの券もお店に渡す)。

 打ち捨てられた夢の欠片。
 思わず私は拾っていた。

 いまとなっては何の役にも立たない。けれど、役に立たないものにも価値はある。

 ジャニスの閉店セール引き取らせていただいたCDは、時間をかけて、大切に、聴かせていただきます。 

 ジャニス。
 自分が知っていたのは、じつは、音楽の氷山の一角にすぎなかった。そのことを思い知らされる店だった。
 この世界には、たくさんの未知の音楽があり、本当に、豊かな音源がひろがっているのだ。

 ありがとう、ジャニス。

(下部の画像は、最後の在庫セールで開店を待つ人々)


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