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アルチョムとアンナのロシア鉄道イチャラブ紀行【GWはゲームの中で旅行に行こう】

2020年5月のテーマは【GWはゲームの中で旅行に行こう】。GWはともかくとして、外出できない現在はせめてゲームの中だけでも、いろんなところを観光してみたい気分になりますよね。

ゲームで観光できると言えば、なんといっても『アサシン クリード』のシリーズでしょう。ヴェネチア、ローマ、パリ、ロンドンなど、世界を代表する観光地が舞台となっているだけに、ゲームの中での見どころも豊富です。なかでもフランス革命期のパリを自由に探索できる『アサシン クリード ユニティ』は、2019年に大規模火災に見舞われたノートルダム大聖堂をはじめ、有名な建築物の数々を訪れることができるだけでなく、その壁や屋根を登ったりできるのでオススメですよ。

……とまぁ、このネタなら『アサクリ』でいくらでも書けるのですが、さすがにそれだとワンパターン過ぎるので、今回はUBI以外のタイトルをご紹介することにしましょう。核戦争後のロシアを舞台にしたFPS『METRO EXODUS(メトロ エクソダス)』です。

この『メトロ エクソダス』は、『メトロ2033』『メトロ ラストライト』に続く『METRO』シリーズの第3弾となる作品です。シングルプレイオンリーでストーリー重視という、今時のFPSとしては非常に珍しいシリーズになっており、(一人称視点なので画面にほとんど出てこない)主人公のアルチョムをはじめ、キャラクターの多くが過去作から引き続き登場しているため、前2作をプレイしていたほうが、本作をより深く楽しめるでしょう。

シリーズをこれから遊び始めるという人は、過去2作のリマスター版がセットでプレイできる『Metro Redux(メトロ リダックス)』がオススメです。

モスクワの地下を脱出して、鉄道でロシアを巡る! 設定ちゃぶ台返しの『METRO』シリーズ第3弾

『METRO』シリーズは、モスクワの地下で核戦争を生き残った人々が、地下鉄網を利用してコミュニティを築き、過酷な生活を送っているという設定になっています。地下鉄の駅が1つの都市国家として機能しており、地上を跋扈する奇怪なミュータントから人々を守って戦ったり、政治思想の異なる他の駅と抗争を繰り広げたりする物語が、過去2作では描かれていました。

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▲『メトロ エクソダス』の冒頭でも描写されているように、『METRO』シリーズの過去2作は、モスクワの地下トンネルや、放射能と氷雪に覆われた地上の廃墟などが、主な舞台となっていました。

そんななか、主人公のアルチョムは救援を求めるかすかな無線を聞いたことから、モスクワ以外にも生存者がいると信じるようになります。生存者を求めて探索を続けていたアルチョムと彼の妻アンナはある日、地上の線路を疾走する機関車を発見します。じつは地下都市の上層部は外部に生存者がいることを知りながら、戦時態勢を続けるために隠蔽していたのです。秘密を知った2人は殺されそうになりますが、逆に機関車を奪って逃走。合流した仲間たちとモスクワを脱出して、ロシアの大地を進んでいくことに……。

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▲アルチョムたちが奪った機関車「オーロラ号」。これに乗ってロシア各地を移動するだけでなく、移動先での冒険の拠点にもなります。

『METRO』シリーズの過去2作が、モスクワの地下という閉鎖された世界でしか生きられない人々の鬱屈をリアルに描いていたのに対して、この『メトロ エクソダス』では、「モスクワの外に汚染されていない大地があった!」と、これまでの設定をひっくり返す新たな展開が描かれています。タイトルどおり、閉鎖されたモスクワの地下を「EXODUS(脱出)」して、過去2作とはまったく異なる広大な土地を探索すること自体が、本作の最大のテーマになっているのです。その意味で本作は「旅」そのものを描いたゲームだと言えるでしょう。

この後の有料部分では、主人公アルチョムが妻のアンナや義父のミラー大佐、そして戦友たちと繰り広げる旅の魅力について、もう少し詳しく語ってみたいと思います。

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妻のアンナ(写真右端)と旅の仲間たち。アンナの父であるミラー大佐を指揮官とする彼らは、モスクワの地下都市を守る精鋭部隊「スパルタン」のメンバーでした。アルチョムやアンナ、ミラー大佐だけでなく、彼ら隊員たちのサブストーリーも、ゲーム中の各所で紡がれていきます。

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