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ドイツビール入門

はじめに
 みなさんこんにちは。いとーでございます。Twitterで「キナリ杯」というハッシュタグをみかけまして。ここはひとつ僕も出してみたいなぁと思っての投稿です!なにか評価をいただけたらなぁ、と思っております。よろしくお願いします! 
 今回はドイツビールについてです。大学の授業で「レポート課題:なんでもいい」とのことだったので全力でドイツについて書きました。ここは提出したものをリメイクして投稿しています。実際に提出しているので、そこも楽しんでいただければ(単位はもらった)。では、どうぞ!

ドイツビール入門

 私はビールが大好きである。琥珀色のビール、純白のきめ細かい泡の美しい見た目はもちろん、口に含んだ瞬間に感じる氷のような冷たさ、飲みごたえ抜群の喉ごしなど、味も抜群である。ほのかに感じる苦みさえも愛おしく感じるほど、私はビール党なのである。
 今回はドイツのことをレポートにしてみようと思った。ドイツについてはこれまで高校の世界史でビスマルクやヒトラーなどは習ったことがあり、サッカードイツ代表が強い、そしてビールがとてもとても有名であることなどは知っているが、その程度の知識しかない。もちろん、ドイツに行ったこともない。肝心のドイツ文化のことについては何も知らなかったのである。言ったことある国や好きな国よりも、知っているようで実は知らない国のことについて書いてみようと考えたことが動機だ。あとは、授業の担当の先生が美人なのも理由の一つだ。むしろドイツのことを知ろうと思った一番の理由はそこである。私はこのレポートを青島ビールと共に書いている。冗談である。
 ドイツのことを知ろうと思ったときに、私は真っ先にビールが思いついた。我々日本人が緑茶をたしなむようにイギリス人が紅茶を、アメリカ人がコーヒーをたしなむという感覚でドイツ人はビールを飲むと思っているし、ルール地方では中年の男性たちがパブ的なところでビールを飲みながら訪れた日本人に「お前はシャルケか?ドルトムントか?」「ウシダは元気か?」「カガワはすごい奴だよ!」と熱くなってそうなイメージを勝手に持っている。それだけ私にとってドイツといえばビールであり、ビールといえばドイツなのである。このレポートを通して、私はドイツについて、ドイツビールについて知りたいと考えている。

1.ドイツとビール 

 私が勝手にドイツといえばビール、というイメージを持っているが実際はどうなのか。2016年のドイツのビール生産量は、949万㎘。(表1)これは世界では中国、アメリカ、ブラジル、メキシコに次ぐ5位で、欧州では最大の生産量を誇っている。世界5位かとも思ったが、数字を見れば中国が桁違いすぎる。なんと年間4141万㎘も生産しているのだ。そもそも個人的に中国はビールを作っているイメージが全くなかった。ちょっと盛っていたりしないか。おいしいのか、中国のビール。あ、青島は中国か。おいしかったです。青島ビール。ちなみに日本の生産量は535万㎘なので、ドイツは日本のおよそ1.8倍のビールを生産していることになる。
また、ドイツの一人あたりのビール年間消費量は104ℓ。(表2)こちらは143ℓのチェコと108ℓのナミビアに次いで3位になる。ナミビアってどこだよ。アフリカでした。ちなみに我らが日本の一人当たりのビール消費量は年間41ℓ。日本を支えるサラリーマンやウェイウェイな大学生がこの数値に大きく貢献していると思われるが、その倍以上をたたき出す上位3か国とは何なのか。特にナミビアは独立後のインフラ整備の手違いでうっかり蛇口からビールが出るようになってしまった、くらいしか理由が思いつかない。とにかく、とてもナミビアに興味がわいてきた。このレポートでは今後、ナミビアとビールについて述べることにする。冗談である。
 なにはともあれ、この数値から見てもビールはドイツにとって国民的な飲料として慕われていることが伺える。そんなドイツの人々がビールを飲むようになったのはいつごろからだろう。ビールの歴史をさかのぼり、ドイツビールの起源、そしてなぜそんなに親しまれるようになったのか、その理由に迫ってみたい。

表1 国別の年間ビール生産量(2016キリンビール調べ)

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表2 国別一人当たりの年間ビール消費量(2016キリンビール調べ)

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2.ビールの歴史

① ビールの起源と広まり
 そもそもビールとはどこから来たのか。その歴史をさかのぼると紀元前5000年ごろには大麦小麦が発見され紀元前4000年頃にはシュメール人が農耕をはじめパンを焼き、ビールを作っていた。パンとビールの起源はほぼ同じなのである。このころから人類は酒豪であった。万歳。また、紀元前3300年頃のエジプトでもビールの醸造が行われていたようである。ビールはその後キリスト教と共にゲルマン人を中心に広がっていく。その際に醸造所として修道院が大きな役割を果たした。現存する世界最古の醸造所もまた修道院である。

② ビール純粋令
その後時代は飛び飛び1516年、バイエルン公ヴィルヘルム4世が『ビール純粋令』を交付する。その内容は「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という内容。これは現在でも守られている法律らしく、なんというかドイツ人のビールにかける情熱が伝わってくるというか、もっと守る法律あっただろうと。といってもこの法律が公布された理由はちゃんとあり、「貴重な小麦、ライ麦はパンに使いたい」「粗悪なビールを排除して価格の安定を図りたい」「水の衛生管理を徹底して伝染病を防ぎたい」などなど。しかしこのビール純粋令があるからこそ、ドイツのビールはおいしく、厳しい基準をクリアしているからこそ余計なものが入っていないので、ビールは栄養満点・無添加の健康食品であるとの見方もある。なんだか日本で流行した「ゼロカロリー理論」に通ずるものがあるような気がするが、気にしない。
 余談だがこのビール純粋令を公布したバイエルン公ヴィルヘルム4世だがビール純粋令以外の功績は特になかった。お疲れさまでした。

③ 技術革新
 その後は19世紀中ごろに醸造技術の技術革新があった。これまでは上面発酵と呼ばれる方法で作られていたがしかし、上面発酵のビールは好ましくない雑味も持ちやすくなる。それに対して下面発酵という醸造方法が確立された。下面発酵は、雑味のないすっきりした味わいのビールを生み出すことができ、次第に主流となる。また同じ時期に「低温殺菌法」と呼ばれるビールの殺菌法も確立され、長時間の保存、長距離輸送が可能になった。低温殺菌法は瓶詰めしたビールに60℃ほどの熱湯をかけて殺菌する方法である。
 ここまで歴史を見てきて、やはりドイツビールの歴史を語る上でビール純粋令が一番大きい存在だなと感じた。

3.ビールの種類

 ドイツには醸造の仕方や地方によって様々なビールがある。この項ではその代表的なものをいくつか紹介したい。
① ピルスナー
19世紀半ばにチェコのピルゼンで開発され、現在世界で最も飲まれているビール。日本でもビールと言われている黄金の飲料はほぼすべてピルスナービールである。

② ヴァイツェン
ヴァイツェンとは「小麦」の意味であり、大麦とともに小麦が50%以上使われているビール。あれ?ビール純粋令は?気にしてはいけない、ヴァイツェンは例外だ!日本でも白ビールとしてその飲みやすさが親しまれている。

③ スタウト
漆黒のカッコいい見た目とローストした大麦の強烈なコクとコーヒーのような香りがコアなファンを獲得し続けるビール。これが似合う大人になりたいもんですわ。

④ ケルシュ
道後ビールにもその名前が使われているので聞いたことがある松山市民は多いだろうケルシュは、ドイツのケルンとその近郊で作られるビール。味は苦みが少なくいたって飲みやすい。ケルシュ協定という協定が存在し、内容は「ケルンとその近郊で作られたビールのみケルシュと名乗ることができるのである!他はケルシュではなくケルシュ風!つまり偽物だ!」といった感じ。あれ…道後ビールは…?

道後ビール ケルシュ(容疑者)

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4.ドイツビール、飲んでみた

 ここまで3000字弱も使ってドイツビールについて述べてきたが、私はドイツビールを飲んだことがない。そう、いわゆるドイツビール童貞なのである。文献やネットにどんなビールがどんな味なのか書いてはいるものの、それを実際に体験しなければドイツビールに関して知ることができたとは言えない。百聞は一見に如かずとの故事成語があるようにここまでくれば飲むしかないのである。量産型大学生らしくInstagramで培ったインスタ映え写真力と食レポ能力を試す時が来た。それでは、Prost! (ドイツ語で乾杯の意味)
なお、今回ドイツビールを飲みにお邪魔したのは松山市一番町にあるドイツハウス様です。ピルスナー、ヴァイツェンそしてヴァイツェンダークをいただきました。ありがとうございました。
① ピルスナー
 とりあえず生ビールを注文。レーベンブロイの生ビールです。トリアエズナマ。黄金色のボディに乗る泡は王冠のようでまさしく王者の風格を感じる。これがドイツビールか。口に含むと濃厚な苦みとコクが押し寄せてくる。それでいてすっきりとした喉越しで飲みやすい。後味もしっかりウマい。まさにこれが「純粋」なビールか。シンプルなのがまたいい。日本のそれに近いピルスナーの王道なので初心者にこそおすすめなビールかもしれない。

レーベンブロイの生ビール

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② ヴァイツェン
 お次は小麦を使ったヴァイツェンビール。ヴァイエンステファンヘフヴァイス。日本では売っていないらしい。ヴァイエンステファナマエナガイネン。瓶ビールをマスターが注いで出してくれる。ピルスナーとは変わって色は白っぽい。それもまた美しい。ヴァイエンステフ(略)。口に含むとまるでバターのような風味。連れ曰く「衝撃的な味」と表現されるほど、ピルスナーとは全く違った味である。しかし飲みやすさはこちらのほうが上である。水のようにぐびぐび飲めてしまう。ヴァイエ(略)。

③ ヴァイツェンダーク
 何種類か飲んだ後にマスターに「ほかに何かないですか?」と聞くと出してくれたビール。黒いので「これはスタウトですね?!」とドヤ顔で聞くも「違います。ヴァイツェンダークです」と一蹴されてしまった。ヴァイツェンダークとはヴァイツェンビールだけど黒いらしい。今日はどしゃ降りの晴天でしたと言われた気分である。そんなビールあるのかと疑うがマスターが言うならあるのだろう。とにかく飲んでみると、なるほど飲みやすい。道後で飲んだことがあるスタウトのようなドスのきいた味ではなく、あくまでスッキリしている。そしてほのかに感じられるこれまでのビールとは違うコク。ヴァイツェンとスタウトのいいとこ取りといったハイブリッドなビールである。好みは分かれると思う。

ヴァイツェンダーク

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5.終わりに

 これまで自分が好きなビールの視点からドイツを見てきたが、いかにビールがドイツにとって国民的飲料として親しまれているか発見することができた。それは長い歴史とともにビールがあり、ビールがドイツの文化とともに育まれていたからである。ドイツの先人たちが積み上げてきたビール文化は今や世界に誇れるものとして認知されている。それはグローバル化も相まってだが遠く離れた極東の日本でもドイツビールが一目置かれていることからも明らかである。
 これからはドイツビールのみならず我々が様々な国や地域の文化に触れる機会が多くなるだけでなく、その文化自体も他のものに触れさせられる機会が多くなるだろう。それらの文化を受け入れ、保全し、次に繋いでいく、そういった人間になりたいし、そんな人間を育てたい。

・ ドイツビールのお店

『ドイツCAFÉ & BAR ドイツハウス』
愛媛県松山市一番町2丁目8−5 一番町武田ビル2F南

いとーとは

 はじめまして。私は、愛媛県松山市に生息する大学生でございます。飯テロリストとしてInstagramで「飯テロ×文章」をコンセプトに、独自の飯テロ活動をしております。少しでもこの文章を面白いと思ってくださった方は、ぜひこちらものぞいていってくださいな!
Instagram : https://www.instagram.com/itooooo_san/

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