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たこたこあがらないで

1月1日 元日
「たこあげがしたい」と言う長男と一緒に、近所のデパートへ凧を買いに行った。次男は凧揚げさにはさほど興味がないけど、買い物に行くというだけでついてきた。

凧は運良く二つだけ残っていた。正確に言えば、カイトだった。凧よりカイトの方がよく揚がる気がする。柄はポケモンとスプラトゥーン。長男がポケモン、次男がスプラトゥーンを選んだ。ポケモンは二人の遊びにかなり進出しているけど、スプラトゥーンは全く知らない、はず。凧にイカが描かれている。イカ揚げだなあ、と今になって思う。ちなみに二人ともスプラトゥーンは知らないし、うちにはSwitchすらない。

一旦帰宅し、妻も一緒に車に乗った。凧揚げの前に初詣に行く。近所の神社に行くのが我が家の恒例となっている。

初詣はさっさと終えて、公園へ向かった。凧揚げをするには若干強めの風が吹いていた。ここで次男、風が苦手なため、車で待機。イカの凧は揚げてもらえなかった。今も日の目を見ていない。今年中にこのイカが揚がることはないだろう。

よって、長男と妻だけが公園で凧揚げをすることになった。興味のあることは何でも自分でやりたがる長男。早速揚げるのだが、風に煽られて糸がどんどん引き出されていく。ほっといたら、何十m揚がっていたのだろうか。

妻が長男から糸を預かり、程よい高さになるまで糸を巻いている。その途中、桜の木に引っかかった。高さは5mほどのところ。もちろん手は届かない。骨がしなりながら枝と枝の間に挟まっている。昔SASUKEの第二ステージあたりで見た、壁と壁の間を手足で突っ張って移動する、あれと同じ状態だ。曲がった骨が元の形に戻ろうと、枝と枝を押して突っ張っている。つまり、取れない。新年の凧揚げ、1分足らずで終了。

写真で見ると、少し頑張れば手が届きそうな気がしないでもない。年末の紅白に初出場した10-FEETのバンド名が、「届きそうで届かない距離」という意味だったなあ、などと思う。でも、もちろん届くわけがない。5mくらいだから、15feetくらいだろうか。「フィフティーンフィート」。いかにもコピーバンドって感じで、韻も踏んでいていいかも。でも、10feetすら届かず、地団駄を踏む。

正月早々、大の大人が二人で何をやっているのだろう。凧が木に引っかかったらどうする?消防に連絡する。はしご車に来てもらう?いやいやそんなわけないだろう。公園にはしご車入れないじゃん。いやそこじゃない。管轄は?市役所?なんて言う?凧引っかかっちゃいました。今時ある?なんでここでやった?引っかかる気がしたんだよねー。じゃあ止めてよ。

妻とそんなやり取りをして、結局、風で落ちてくるのに期待しようという結論になり、とりあえず引っ張りまくる。糸だけがちぎれ、凧は現状維持。いや現状悪化かも。凧とやり取りする術はなくなった。仕方がないので、義実家へ柿を取るための長い棒があるので取りに行く。

ふと、こういう時どうするのが正解?と思い、ChatGPT様に聞いてみることにした。

ごめんなさい。無理に引っ張りました。
でも、専門の救助隊とは?木に引っかかった凧を救出するスペシャリストがこの世にいるのだろうか。安全かつ効果的な方法とは。安全は分かるとして、効果的って?何に効果をもたらすのだろうか。ぜひ見たみたいと思ったが、やっぱり連絡する勇気はないので自力で取ることにした。

持ってきた柿取り棒では地上からは届かず、2mほど登って救出。登ってごめんなさい。安全でもなければ、効果的でもなかった。長男がずっと心配していたので、彼のメンタルには効果的だったかも。

今年最初の学びは、木の近くで凧揚げをしてはいけない、ということ。あと、手の届く範囲で頑張ること。無理に背伸びせず、半径4feetくらいの範囲でがんばろう。と思ったお正月でした。

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