一人の命を思うとき
先日の出来事。
母が家に入るなり、口にしたその言葉に驚きを隠せなかった。
「〇〇さん家の〇〇君、亡くなったって・・・」
え、と思った。それは隣の地区に住んでいた笑顔の素敵な男性だった。
その人との出会いは小学生の時。
私が1年生だった時に、彼は6年生で、学年はすごく離れていたのになぜだかすごく可愛がってもらった印象がある。
きっと彼の方は、今では私のことなどもうすっかり覚えていなかったと思うけれど、私にとってはいつも声をかけて遊んでくれる、優しくて笑顔の素敵なお兄さんで。
私には大好きな姉が1人いる以外、異性の兄弟はいない。それもあったからなのか、とても優しかったその人が幼いながらすきだったし、憧れの人でもあったように思う。
中学、高校へと進んでからは、3年間が重なることもないし、特に会うこともなくなったけれど、同じ地域に住んでいるだけあって、風の便りで噂を耳にすることはあった。
そんな彼の突然の訃報だった。
詳しいことはわからないが、脳の中に血液が溜まりすぎたことが原因らしい。私は大学で看護を学んだので、もしかしたらきっとほんとに一瞬の間の出来事だったのかなと感じた。
もうずっと会っていなかったし、忘れかけていた人だったけれど、
こんな風に名前を聞くと、昔のあたたかな思い出を思い出さずにはいられなくなって、今の気持ちをつづっている。
身内でも、仲の良かった友達でもない私にとって、その事実を知ったことで、かなしいのか、かわいそうなのか、辛いのか、残念なのか、うまく表せる表現が見つからない。
でも少なからずショックだったし、心にずしんと、重たい石が乗っかっているような感じがしている。
運命は分からない。
いつどこで人生の終わりがくるかなんて誰にもわからない。
だからこそ日々を大切に、
周りで支えてくれてる人、今生きていられることに感謝し、
やりたいことをやって悔いのないように生きていかなければと、
ごく当たり前のことなんだけれど、気づかせてもらえた。
もしかしたらきっと姿は見えないだけで、
この世界にいるのかもしれないし、はたまたもう違う世界へ
飛び立っていっているのかもしれないけれど
一人の命のおわりが、私に大切な気づきをくれたのは確かだ。
彼の今までの人生が、幸せに溢れたものであって欲しいと願いを込めて。
私は私の人生を、また一歩ずつ大切に歩き出そうと思う。
#終わりから始まる #眠れない夜に
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