さよならだけど、さよならじゃないよ

　二日酔いかもしれない。頭が妙に重たい。胃がむかむかする。気怠げな身体を引きずりトイレへ向かうと、やっぱり吐けた。
　口のなかをすすぎ、居間へ向かう。冷蔵庫を物色していると、後ろから足音が近づいてきた。
「大丈夫？」
　振り返る。いちごちゃんだ。
「うん。なんとか」
　声を絞り出す。
　冷蔵庫から残り少なくなった緑茶を取り出し、コップに注いで一息に飲み干すと、幾分か気分が楽になった。
「飲み過ぎだ