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子供がトイレで忘れ物をしない方法

我が家には2009年、二卵性の男女双子が生まれた。双子なので、多少の誤差こそあれ、ほぼ同時に成長していく。中学生ぐらいになると、それなりに自分のことは自分でやれるようになるので、まあ、普通の兄弟や姉妹と似てくる。親の精神状態はともかく、客観的な子供としてはそんな感じだ。

なので、逆に言うと双子の育児は小学生くらいまで大きな山場になる。つまり、オムツがないと困る時期が二人ほぼ同時である。歩き始めて危ない時期も同時。イヤイヤ期もほぼ同時。トイレのお世話をしなければならない時期もほぼ同時だったりする。そう、赤ちゃん〜幼児期には、子供がたとえ一人だけであっても面倒な時期が、二人ともわりと同時にやってくる。これはなかなか骨が折れる。

さて、今回のテーマはそんな、双子のその時期が同時にやってくると本当に困ってしまうことのひとつだった。子供が自宅以外のトイレに「ようやく一人で入れるようになった時期」の話だ。実はこのタイミング、親にとって本来は少しホッとするタイミングだ。つまり、「ようやく一人で入れるようになった時期」とは、「トイレのお世話をしなければならない時期」が終わったことを意味するからだ。

とくに双子の場合、「トイレのお世話をしなければならない時期」は地獄である。双子が同時にトレイに行きたがった場合は、あの狭いトイレの個室の中で3人で行動することになる。もちろん、双子の一人がトイレに行きたがらなかったとしても幼児期に子供を個室の外に一人だけ残すわけにはいかない。結局、3人で個室の中に入ることになる。最新の大型トイレならまだしも、古くて汚い個室に3人入って、そこで複雑な作業をこなすのは本当に大変だ。

そんな「トイレのお世話をしなければならない時期」が終わって「ようやく一人で入れるようになった時期」が来たことは親にとっては嬉しいことこの上ない!!!

ところがだ。とくに我が家の場合、双子は双子でも男女双子のため、余計にそのトラブルが発生しやすいのだが、ようやく一人で入れるようになった双子がそれぞれ、5回に1回ぐらいの割合で個室の中になにか大事なものを忘れてきてしまうのだ。さっきも書いたように、男女双子の場合、親が一人しかついていない場合、両方のトイレの個室をチェックすることは出来ないので、結局、本人を信頼するしかない。

ところが、子供は面白いように、トイレの個室に忘れ物をする!

大事な宝物ほど忘れがち。

これってうちだけかな?少なくとも我が家の双子はどっちもそうだったし、実は私自身もやたらとトレイの個室に忘れ物をするタイプの子供だった。(これが、遺伝したのかも)

せっかく、親にとって大変だった「トイレのお世話をしなければならない時期」が終わったばかりなのに、今度は「トイレの個室にやたらと忘れ物をする時期」が始まってしまった。すぐに「あ、忘れ物!」と気づいた場合はともかく、帰宅して夜になってから「大好きな○○○○キャラのぬいぐるみが入ったカバンがないよ〜!」とか泣き出す。こっちはてっきり、カバンごとリュックに入れたと思ってたのに…!!!みたいな事故がやたらと発生した。しかも、双子なので、そういう時期がほぼ重なる。やたらとトイレの個室への忘れ物が続く。

当日や翌日、現場にかけつけて見つかる時もあるが、見つからない時もある。まあ、子供がなくして泣いちゃうようなものは、他の子が拾ったら持って帰りたくなるようなものが多いので、まあ、見つからない時が多いのもわからなくはない。

ちなみに、家族でお出かけの時、とくに遊園地などの行楽地では、忘れ物を防止するための作戦を私はひとつ考えた。遊園地などの行楽地では、子供のテンションがいつも以上に上がるので、子供はいつも以上の確率でトイレの個室に忘れ物をする。その対策として発明したのは、「スマホでやたらとこまめに子供の写真を撮っておく作戦」だ。要らない写真ならあとで捨てればいい。なぜ写真を撮りまくるのか?理由は簡単だ。

この作戦さえ実行しておけば、子供が忘れ物をした時にスマホの写真フォルダの中の写真を猛スピードでスクロールすることで、子供が忘れ物をした時間と場所を特定することができる。「あ、ジェットコースターに乗る前に、帽子がなくなってる!てことは、ジェットコースター乗り場の手前にあったトイレだ!」とか、忘れ物現場をだいたい予測することができる。これ、なかなか便利なので、是非!

さて、双子が移動するのは、家族全員の時とは限らない。それどころか、妻と双子、私と双子…なんてケースの時にも、忘れ物は容赦なく起きる。さらに、双子が成長するにつれて、双子が一人で近距離にお出かけすることも増え来る。そうなると、この作戦は通用しない。

しかも、我が家の双子は元来おっちょこちょいなのか、(もしくは私のおっちょこちょいが双子に遺伝したのか?)、なかなか「トイレの個室への忘れ物」が減らない。気がつくと二人はそれぞれ「トイレの個室への忘れ物」をしてしまう。困った!!!

そこで、私は思い出した。前述のように私も「トイレの個室への忘れ物」が多い子供だったことを。しかも、子供時代だけじゃなく、20代ぐらいになっても意外とトイレの個室に忘れ物をしていた記憶がある。原因の1つに、私は普通の人よりもトイレの個室に入ってる所要時間が長いというがある。トイレの中で長い戦いに疲れて、持ち物をハンガーに掛けたり棚の上に置いたりしたことを単純に忘れてしまうのだ。ま、大人になってからの忘れ物なので、そんな言い訳をしてもあんまり意味はない。カッコ悪いだけだ。

ただ、そんな大人になっても「トイレの個室への忘れ物」が多かった私だが、ある日を境にそれが止まった。それはある日、トイレの個室に忘れ物をしない作戦を思いついて、そして実行するようになってからのことだ。

方法はきわめて簡単だ。

トイレの個室で用事が終わったら、「わ・す・れ・も・の」と心の中で呟きながら、個室の中で時計回りに一回転する。

あなたが今、トイレの入口方向から便座に向かって立っているなら、トイレの奥、便座の向こうによくある貯水タンクの上の台やちょっとした段差の上にカバンなどの忘れ物がないかを確認しながら、心の中で「わ」と呟く。次に、その場で時計回りに右方向に回りながら壁の方向を見て、心の中で「す」と呟く。次に、時計回りにさらに右側、つまりトイレのドアの内側を眺めつつその壁のフックに上着などの忘れ物がかかっていないかを確認しながら、心の中で「れ」と呟く。さらに時計回りに右方向に回りながら、しばしばそこにあるトイレットペーパーホルダーや小さな棚の上に忘れ物がないかを確認しつつ、心の中で「も」と呟く。最後に、一周して便座の向こうによくある貯水タンクやちょっとした段差の上に忘れ物がないかをもう一度確認してから、個室のドアを開けて外に出る。

その間、約5秒ほどでトイレの個室への忘れ物がなくなる。

5文字のおまじないを心のなかで呟くだけ。

理由は簡単である。トイレの個室は「どこも、だいたい似てる」のに、「場所によって、微妙に配置が違う」。そのせいで、カバンや服や、時にはスマホを、人は時々いつもと違う場所に置いてしまう。ところが、トイレを終えた人間は普通「すべてを水に流して、一刻も早く外に出たい!」ものである。だから、ついつい、いつもと違う場所に置いたり掛けたりした「何か大切なもの」を、トイレの個室の中に忘れてきてしまう。それを防止するためのおまじないが、「わ・す・れ・も・の」である。強引に4方向を確認することで、もしかするといつもと違う場所に置いたり掛けたりしたかもしれないあなたの所持品を確認することができる。もしかすると、普通はドアについてるはずのフックが別の壁についてることだってあるし、トイレの汚れ方によってはいつもなら絶対に置かないような場所に大切なカバンを置いてる可能性だってあるからだ。

さて、4方向なんだから「わ・す・れ・も・の」と5音じゃなくて、4音でいいじゃん?と思われるかもしれないが、4音だと「わ・す・れ・も」で終わってしまう。それこそ、大事な何かを忘れてしまいそうである。それよりは「わ・す・れ・も・の」とちゃんといい切った方が間違いない。

あと、私の「わ・す・れ・も・の」は、2020年東京五輪招致の際の滝川クリステルのスピーチの中のキラーワード「お・も・て・な・し」にも似ているが、私の「わ・す・れ・も・の」は1980年代の産物である。マネしたわけじゃないということは、カッコ悪いがいちおう主張しておく。

さて、そんな「わ・す・れ・も・の」というおまじないだが、我が家の双子に教えたところ、たまたま二人の「トイレの個室に忘れ物をする期」が終わったタイミングと一致しただけなのかもしれないが、双子の「トイレの個室への忘れ物」は、ほぼ100%なくなった!

ただし、今でも電車の座席や喫茶店の机の下などでは、双子の忘れ物は普通に続いている。それを言うなら、まだまだ私だってたまにしている。

いつも通りの場所なら意外と忘れないが…


2023-12-18
                              ■■■

#トイレ #個室 #忘れ物 #子供


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