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猫に慣れない。



愛猫を迎えて2年と4ヶ月。
わたしは未だに猫に慣れない。

そんな訳あるか、と思われるかもしれないが、わたしはずっと猫の「可愛さ」に慣れず、日々ひどく胸を焦がしている。

猫は可愛い。
朝起きて、枕元でまあるくなって寝ている姿を目にした瞬間、「何だこの可愛い生き物は」と驚いてしまう。
昨日の朝も同じように驚いたのに。

作業中、構って欲しくなった猫が足元にすりすりと纏ってきた。「何だこの可愛い生き物は」と心臓がドキンとしてしまう。
30分前も同じようにドキンとしたのに。


毎日ちょっとした表情や仕草、行動の可愛さにびっくりしている。
2年以上も毎日一緒にいるのに、どうしてこんなに可愛さに慣れないんだろう。
毎日、毎時間、毎秒、初めて目にしたかのように驚いてしまう。



他のものって、そうでもない。

例えば、ずっと可愛いと思っていて、やっと買えたお洋服。
着るたびに「ああ可愛いなあ」と思っていても、毎日着ていたら気持ちは段々と冷めていく。

彼氏や夫。
付き合いたての頃は「かっこいいなあ」と会う度に思っていて、目の前に居れば食事も喉を通らないくらいドキドキしたものだ。
愛情は冷めていないが、そういった甘酸っぱいときめきみたいなものは、時間が経つにつれ少しづつ落ち着いてくる。

それに比べて猫といったら、もう。
猫に対する気持ちは全く冷めないし落ち着かない。
四六時中可愛くて、大好きだ。

もしかすると、猫は人間の知らぬ間に夜間アップデートなどをしているのかもしれない。
可愛さのアップデートをして、また翌日人間を驚かせるような…。

という冗談はさておき、こんなにも可愛さに飽きさせない猫はやはり凄い。
可愛さにひとしきり驚いた後は、その魔法のような愛らしさに笑顔になる。
どんなに悲しんでいても、どんなに怒っていても、猫が擦り寄ってこれば全て忘れてしまう程。


毎日驚いて、毎日ドキンとする。
落ち着かない日々だけど、安心する日々。

どうかこれからもその可愛さで翻弄してね。


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