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多目的トイレからダイバーシティーについて考えて見よう(石巻トイレマッププロジェクト)

※こちらの記事は、「CivicTech & GovTech ストーリーズ Advent Calendar 2020 - Qiita」の18日目の記事です。

・自己紹介 ~ニックネームの由来
・私のシビックテック活動
・2020年 石巻トイレマッププロジェクトの活動
・ダイバーシティーってなんだろう
・最後に

自己紹介 ~ニックネームの由来

イトナブ石巻という会社のおります、Penです。

弊社はニックネーム制が導入されていますので、Penという名前でシビックテック活動をしています。なぜPenという名前なのと、たまに聞かれることがあります。私は先天性の脳性麻痺を患うことになってしまい、Macのキーボードを鉛筆の先端にクッション材をつけた言わば「ペン」でコードを書いています。最近は、いじめの防止策として小学校で「あだ名禁止」と言った時代らしいですが、私はこのニックネームがとても大好きで、天鳳や雀玉のアカウントにも入れております。

私のシビックテック活動

私がプログラミングを学ぶ動機になったのは、自分にある独自の目線や感覚を活かして、自分と同じように障がいを抱えている方に向けて、ITサービスを作りたいと思ったからです。確かに私は障害を抱えてはおりますが、ITデバイスを駆使すれば、いや武装すれば私は誰にも負けないのではないかと思っています。例えば、箸を持てないほど手が不自由で、コインも切符も掴むことが出来ません。でもご存知のように「スマートウォッチ」一つでこれらの問題はクリアされ、ましてやお洒落に過ごすことが出来ます。こういう経験を重ねるうちに、自分も開発側に行ってみたいと思うようになりました。そんな気持ちから、プログラミングを勉強し、今の会社でwebエンジニアとして働かせていただいています。

2018年の6月に入社してから、自分のできる範囲で障害がある方に向けたITサービスを作れないかなと考えていたときに私は、石巻の社会福祉協議会が発行した「石巻バリアフリートイレマップ」という冊子に出会うことが出来て、その冊子をwebページにし、さらに情報を加えてブラッシュアップすることを2019年から取り組んでいます。

2020年 石巻トイレマッププロジェクトの活動

今年、「石巻トイレマッププロジェクト」として取り組んだことを書いていきます。

・leaflet.jsを用いた、OpenStreetMapの導入

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当初は、地図画像を表示させてそこにボタンを置くと言った表示のさせ方をしていたのですが、弊社の代表の古山から改善点として挙げて頂き取り組むことが出来ました。全てのポイントの緯度経度を調べてマッピングすることが出来ました。

・プロジェクトに対する想いをnoteに綴る

こちらも弊社古山より提案を受け、自分のプロジェクトを簡単に説明できるものを準備しました。それで8月の中旬から2ヶ月にわたり「分けられた世界から生み出されるもの」と題して9話続きのノート記事を連載しました。この記事の目的としては、生まれつき障害を抱えて約40年生きた私が、「社会」という周りから受けた偏見やいじめ、でもその中でもパソコンやITデバイスに出会い、周りにも負けないくらいの自分になれたこと、さらにプログラミングという分野に出会いそこから活路を見いだせた自分が、今社会のためにシビックテック活動をしようとしていることを綴らせて頂きました。

・各種ボランティアの募集

先述のnote連載とも関係がありますが、自分の想いを綴ることによって共感してくださる方に、さらにボランティアさんになっていただくことを募集することになりました。自分の力では届かない点が3つあります。

・サイトのデザインをしてくれる方
・データーベースの設計をサポートしてくれる方
・石巻市の多目的トイレの写真を撮影してくれる方

上記の2点に関しては、絶賛募集中のところではございますが、多目的トイレの写真を撮影してくれる方向けに、Googleフォームを用いて投稿させる土台を作りました。実際地元の夕刊などでも扱って頂きまして、数人のボランティアさんが集まって頂きました。これから引き続き広報活動にも取り組んでいき草の根のように、ネットワークを広げていけたらと思います。

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※Code For Japan Summit 2020 アンカンファレンスに取り上げて頂きました

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Code For Japan Summit 2020 アンカンファレンスに取り上げていただきました。当日、投票してくださった皆さんに深く感謝しています。アンカンファレンスでは、いかに街の人を取り込んでこの「石巻トイレマッププロジェクト」を発展させることが出来るか考えることが出来ました。「SDG's」の活用などのアドバイスもいただき、現在思考中であります。


ダイバーシティーってなんだろう

「多様化」を示す言葉で「ダイバーシティー」という言葉を近年耳にするようになりました。しかし、このダイバシティーという言葉が一人歩きしてるときがないでしょうか?時に一緒に議論される言葉で、少数派を示す「マイノリティー」という言葉があります。実は、私自身は、自分の抱えているもの故に自分をマイノリティーだと考えないことにしています。確かに人と違っています。出来ないことや制限が加えられてるところがあります。でも自分は工夫をすることによって、そのボーダーを消すまでも行かなくても薄くすることが出来ると私は思っています。そして、そのボーダーを必要以上に考えないことにしています。では、「ダイバシティー」という言葉をどう読みとることができるでしょうか?わたしは、「全ての人」が含まれることが「ダイバシティー」だと思っています。健常者と言われてる方も、病気を抱えてる方も、男性も女性も、子供も大人も高齢者も全てが、「多様化」における大切なカラーであって、一部の人がこの言葉を連呼することで主張することではないのかなと、私は思っています。しかし、忘れてはいけない点があります。それは抱えている事情によって「0(ゼロ)」というスタート地点に立てない方々もいます。そういう問題に寄り添うことによって、「真の多様化」、本当のダイバシティーが作られていくのではないかと私は考えています。

多目的トイレも、障害がある方が使うものだとお考えになる方もおられます。もちろん良い見方ですね、しかし私は多目的トイレはみんな使って良いと考えています。例えば、今日はトランクを持って移動していたら使用していいと思いますし、お子さんとお出掛けしててお子さんが小さければ、一緒に使用することも出来ます。正しい目的で多目的トイレを皆が使えば、「多目的トイレ」ってあらゆる人にとって、助けになるツールになるのではないかと思っています。そして、多目的トイレを自由に使う点で「0地点」に立てない方々ために私は、「石巻トイレマップ」を作っています。そうした同じスタート地点に立てない方々ために必要なツールを作っていくことが、私のシビックテック活動になれば強い気持ちを抱いています。

最後に

2020年は、私自身も自由に街を歩くことが出来ず、はがゆい気持ちを抱いたこともありました。一方で机にいるからこそ出来たこともあるかもしれません。ボランティアさんが集まらないときに気持ちがくじけそうになったこともありました。しかしその時に、人生のキーパーソンと思っている方から「発起人なんだから、気持ちを強く持ちなさい」と励ましの言葉をいただきました。私はこの言葉をいただいてから、「一歩だけ前に」気持ちを進ませてこのプロジェクトに取り組んでいこうと思いました。


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