一人男の娘AC-7:この記事はどんな声で再生されますか?

ティーカップ横綱 一人 Advent Calendar 2020 七日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/5488

男の娘の声と聞いて、皆さんはどんな声を思い浮かべるでしょうか?そもそも二次元のアニメ作品などの存在ですので、当然そういった作品の影響をもろに受けるわけですが、大半の場合は女性声優ですよね。しかもショタ声ではない感じの。なぜそうなるかというと男の娘の「性別以外は美少女」という要素を強く推そうとしたときに、声は「美少女」側に振り分けられる方が売れる、と判断されているように思われるのですが実際どうなんでしょう。恥じらいシーンとか悲鳴それ自体に対して男声が似合わないというのもありそうですが。ともかく、そもそも我々は男声と女声を分けて認識してしまっている部分があるというのは事実のようです。

二次元

とはいえ、昔からセーラームーンのフィッシュ・アイとかアイドルマスターsideMの水嶋咲とか、少ないですが男性声優がそういったキャラをやっている例もある。ただほとんど例外みたいなドラマCD「僕たちオトコの娘」のように完全に男声というわけではなく、男性声優が女声に寄せて出しているという場合が多いため、上記の要因から完全に脱却できているわけではないですが…

近年流行しているASMRについても同様ですね。特に商品のイラスト以外には「声」しかないわけなのでそこで「美少女」性を出していかなければならないとなったときどうしても男声では売れない。というかそれなら演技力はともかく自分で録音したので事足りるわけで(足りないだろ)

三次元

一方で、3次元の女装男子が「声」まで女装するかについては各人の信条や心情によって分かれるところではあります。何しろ二次性徴に伴う「声変わり」がありますから、そう簡単にできるものではありませんし。だからすっげークオリティの高い女装男子でも全力で男声だったりすることもあり、それはそれでギャップ萌えに繋がるという声もなくはない。まあ顔が強ければ何でも許されるんですよこの世の中。理不尽だな。

対して女性っぽい声を出そうと努力は感じられるものの今一歩でかすれ声になってるという人間も結構見かける。大島薫とか。これには多分理由があるとは思うのですが…以下参考動画。

カストラートになるという方法も考えられなくもありませんが、妊孕性だけでなく健康面でも問題が発生する極めてリスキーな方法ですのでお勧めできません。てか令和どころか平成でもするやついねえよ。でも実際声変わりで自分の性別を強く認識させられることに嫌悪感を抱く場合はトランスジェンダーの場合とかあるみたいで、ホルモン投与により二次性徴を遅らせて声変わりを起こさせないといったこともされていることがあるようです。

ソリューション

他のソリューションとしては、まず「努力と根性」。いやそれでどうにかなるものなのか?そもそも声の問題というのはキラキラ女装男子からしてみれば些細な問題かもしれませんが、波風を立てずに埋没したいと考えているMTFのトランスジェンダーの人間からしてみれば死活問題みたいなところがあり、その問題の解決のために様々な発声法が考案されてきたという歴史があります。メラニー法はその中でもっとも有名な方法の一つです。喉仏を使わないように意識して発音するらしいです。よくわかりません。だいたい練習中触れても実際に話すとき喉仏さわれないし意味ないんじゃないですかねそれ。まあこの方法で発生できたとして上掲の動画のようなカスレ声みたいになってしまう場合も多々あり…かわいいとは思うんですけど女装男子だなぁって感じがしますよね(評論家気取り)。実際にはそんな高い声だって意識せずにイントネーションとかを意識して変えてみればいい、逆に言うと男声と女声を分けているのは高さではなくそういう部分だと思います(謎アドバイス、男声を使いたい女声とかの方もここポイントです(読者いるのか?))。こういった努力と根性論の難点は、練習場所がないことと、うまくいってないときの自分の声を録音したものを聞くことが苦痛であることです(体験談)。

こういったボイストレーニングの方法をまとめた「女の子の声になろう!」という本がかつて出版されていたことがあります。僕も買いました。筑波大に一番近いBOOKOFFで。売ったのは元筑波大生でしょうか。やっぱり昔は女装男子もっと多かったんですかね。シリーズには何種類かあるのですが、「即効ボイトレ編」だけが置いてありました。今だったらVRチャットとかも流行ってるからもっと売れる気もするんですがね…

他には「ボイスチェンジャー」という方法もあります。まあ自分じゃどうにもならないから外部に頼るということですね。この中でも種類があって出先でも使えそうな(使えんのかは知らん)ハードウェア式とネカマ専用(ひでえたとえ)のソフトウェア式があります。最近だと「努力と根性」の方でもあったようにVRでの需要が高まっているのでおこぼれに預かる感がありますが情報の入手は容易になってきています。

二次元作品でもこの点を取り上げてる作品にはいろいろあって、「げんしけん二代目」とか「あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ」とか、数回話題に上げている「不可解なぼくのすべてを」とか。「げんしけん二代目」は「努力と根性」、「ストロベリーエッグ」は「ボイスチェンジャー」での解決を図っていますが、「不可解なぼくのすべてを」では珍しく声変わりが越えられない壁として半ば過去編のトラウマみたいに扱われています。まあそりゃあね…

最後に

最後に、練習場所にもしも困った場合は開き直ってバ先で練習しましょう。同僚に白い目を向けられるかもしれませんが、どうせ大半の客とは一度きりしか会わないので。

…僕はそれをやったら接客時の声をもとに戻せなくなりましたが。

あと、今回の記事を音声にしてみました(キツイな)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?