マーケットインの難しさと、私がGoodpatchで働く理由

Goodpatch Advent Calendar 2023 のエンジニア版の17日目です。

今年の11月よりGoodpatchで働いるエンジニアです。ただ、所属しているのは別の技術会社[^1]という、少し変わったた立場にあります。実はこの立場になった理由の1つは、今回の記事のタイトルである「マーケットインの難しさ」に付随する課題を解決することだったりします。

これまで私は大小様々な企業で働いてきました。30人くらいのスタートアップもあれば、連結で10000人規模の会社もあります。ゲームや自社サービスの開発、クライアントワークにも関わってきました。

その中で感じているのは、自分たちが売りたいものと、ユーザー(エンドユーザーや顧客企業)が"真に"求めているものを一致させるのがとても難しいということです。

例えばAIの開発に関わっていたときです。当時は、昨今のChatGPTブームより少し前のAIブームで、どの企業も「AIで何ができるか」を模索している最中でした。AIの開発をしてる企業には引き合いも多く、小売やアパレルのお客様を得意先としていた私達は、在庫最適化などのAIを提供していました。

お客様もAIを求めており、私達もお客様の声を聞いて得意なAIを提供し、一見Win-Winでした。しかし、全ての案件でそれがうまく行っていたと言えるわけではなく、実は単にBIツールを導入すれば済む課題や、単純な自動化で解決できる課題に対してもAIありきで考える例がありました。

お客様の成功に繋がらなければ、私達が価値を生み出せたとは言えません。そのような状態になってしまうのにはいくつか理由があると思います。ここではプロダクトアウトとマーケットインという観点で考えてみたいと思います。

自分たちの売りたいもの世に出していくプロダクトアウトと、マーケットの課題やニーズを把握して開発を行うマーケットインの考え方。これは提供する財やサービス、周辺環境などによって何が正解か変わってきますが、先程のAIの例ではマーケットインが良かったと考えています。

失敗に繋がった事例でも、チームはそれを承知しています。しかし、自分たちがビジネスで達成したい野望、既存アセット、ブランディング、売上予算…など、様々な要因があり、ベストな状態で挑める案件はそう多くはありません。どうしてもプロダクトアウト的になってしまうこともあります。

また、課題を深掘りし、それを発見したとしても、その時点で自分たちにアセットがなく、手伝えることがなくなってしまうことも考えられます。それがマーケットインの難しさであり、原籍の企業とも協力してそれをなんとか解決する道筋を見つけるのが今の私のミッションでもあります。

Goodpatchは「デザインの力を証明する」ことがミッションであり、1ヶ月半働いてみてそれは可能だと確信しています。一方で、デザイン思考を普及させたIDEOですら日本から撤退したように、変化のある世の中ではさらに先のプロダクトにつなげて、優位性を確保することも大事だと考えています。

現在はデザイン会社の中のエンジニアであり、社員とも少し違う立場なので、それを利用してマーケットの課題の解決方法を模索し、ミッションを実現していかなければならないと思っています。残念ながらこの記事にはまだその答えはまだありません。


[^1] 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

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