見出し画像

輪郭

風を撫でるように思い出の輪郭を辿った。

今、頭の中には君と過ごした、
吐き出した言葉たちが泳いでいる。

ふたりの秘密。
それを投げ掛けては、
知らないふりして薄く跡を残している。

同じ場所を、何度も何度も。
ゆっくりと刻みつけて、
深い溝になるように。

言えない言葉の代わりに、
目の前にない、君の輪郭に触れた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?