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ゲーマー歴36年のダンジョン紀行#25 『ダンジョン時短レシピ』(ダンジョンを作ってみて見えてくるもの。選択肢から作る場合編)

▼B82F:まずは"選択肢"を作る。

 今回ダンジョン紀行では、『ダンジョン時短レシピ』を書かせて頂きます。TRPGのシナリオで自作ダンジョンを作ることを想定しています。

 ダンジョンを作っていくには「目的」「選択肢」「報酬と障害」の3つを分けて考えます。
 その上で、"選択肢"から考えること。これが時短レシピだと私は考えます。選択肢とは、つまりスタートからゴールまでの道程です。これさえ決まればダンジョンは用意できたも同然です。

★"選択肢"は3つ作る。

 "選択肢"は、最小のダンジョンで3つと私は決めています。そしてこれはダンジョンの構造を確定するものではなく、以下のような選択肢が存在することを示しています。
一つ目の選択肢は、簡単に選べるものの、少しだけ疑心暗鬼にさせること。
二つ目の選択肢は、発見があること。
三つ目の選択肢は、一つ目の疑心暗鬼を晴らすこと。

 です。

 例1)洞窟のダンジョンを作ってみます。

一つ目は右か左の簡単な分かれ道。
 しかし、右手からは暗く妙な匂いがしたり、左手を進むと古い冒険者の白骨死体があったりします。

二つ目は行き止まりに池があります。
 しかし、池は別の通路へ中で繋がっていたり、ほとりに佇む石像の裏に隠し通路があったりします。

三つ目は広間。
 そして、入り口にあった白骨死体が持ち帰れなかった宝が落ちていたり、人を飲み込むほどの食虫植物がその口を広げているのを見つけたりします。

 例2)屋敷のダンジョンを作ってみます。

一つ目は扉を開くか、階段を上っていくか。
 扉は鍵がかかっていても良く、階段の上には別の扉があることは予想に難くありません。どこから探索するかは館ダンジョンの醍醐味ですね。

二つ目は鍵の掛かった扉です。
 鍵をどこかで”発見”しなければ入れませんし、この扉の先で、館がどうしてダンジョンと化したかの”発見”があっても良いでしょう。

三つ目は最後の扉。或いは最後の階段。
 つまり、ボス部屋の扉と言われるものです。開くことができなかった大きな扉でも良いし、本棚の裏に隠し部屋があったり、エントランスに地下への隠し階段があったりなどは定番でしょうか。

 シナリオに対して、上記のダンジョンが単純すぎると思う方もいるかもしれませんが、これはあくまでも最小単位です。罠を仕掛けたり、怪物を潜めたりするだけで、ダンジョンの難易度や踏破する為の時間はいくらでも伸張していけるでしょう。
 こうして最小ダンジョンをいくつも作っていくことで、よりダンジョンを作っていくのが楽に、早くなっていくのでオススメです。

★「目的」と「報酬と障害」おさらい。

 ここまで出来たら、後は「目的」を設定することで最奥に待つ魔物や宝を決めます。「報酬と障害」はとして報酬の手に入る道と危険な道を作っていきます。比率はおよそ4:3を参考にします。今回のように6つの選択肢を考えるのであれば、無事に進める道が3つ、障害のある道が2つ、そして危険もあるが見返りもある道が1つあると良いでしょう。
 後は使用予定のシステムに沿って、実際の数字的なものを当てはめる作業になります。

 

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