映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 〜1〜 「東宝一強体制」の映画界に未来はあるか!?
映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が、ついに日本歴代1位に躍り出た。「劇場版『鬼滅の刃』」は2020年の10月16日に公開。
同年12月28日に興行収入が324億円に到達し、これまでトップだった2001年に公開された「千と千尋の神隠し」の316.8億円を抜き、歴代1位に。
「鬼滅の刃」の人気の理由は、主に4つに集約されるという(1)。
それは、
とのこと。
「鬼滅の刃」は週刊少年ジャンプで2016年から連載が開始、2020年5月に連載が終了した。コミックが第22巻まで発行されていて、累計の発行部数は電子版も含め、1億を超えた。
とくに2019年9月までの累計は1200万部であったため、その後の1年間で8800万部も上積みした。
第22巻の初版は370万部を記録、国内の出版業界史上、過去最高の数字。「ONE PIECE」の第57巻が記録した、初版300万部の数字を上回る。
「鬼滅の刃」は、週刊少年ジャンプで連載された、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんの漫画が原作。2019年のテレビアニメ化で、人気がヒートアップ。
2020年10月に公開が始まった劇場版では、テレビアニメの最終話からの物語の続きが展開されている。
なぜ「鬼滅の刃」が歴代興行収入1位を記録できたのか
「鬼滅の刃」は、全国の映画館の8割以上にあたる400館あまりで、一斉に上映がスタート。シネコンのなかには、1日で40回以上も上映するとろも。公開初日だけで12億円以上の興収を記録。週末の3日間で46億円まで達する。
大ヒットの要因となったのは、公開のタイミングであるという(2)。コロナ渦初期の映画館の再開後、国内で館内の十分な換気による安全性が周知されるとともに、客足が戻り始めた。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?