水のなかを歩く 22
プールへ行く前に鉢植えのパクチー(先週、種蒔き)を日なたに移動する。今週は気温が低かったし少しでも暖めなきゃと思って。今年の夏は庭の草むしりを半分しかしなかった。奥のエリアは頑張って根抜きしたけど(日陰は蚊が出るし、風通しも悪くなるから)、日当たりのいい手前は思い切って野放しにしてみた。
そこには毎朝、小鳥たちが虫をついばみにくる。よく見ると、今年は小さな蝶々がチラチラ飛び回っているのに気づいた。ムラサキシジミ・・知らなかったそんな意外な名前の蝶。おかげで手前のエリアは野趣な生き物たちの楽園となった。
すぐそばに鉢植えのみかんとシークワーサーがある。昔、家で食べたみかんの種を観葉植物の鉢にポイと植えたら芽が出た。居酒屋で飲んだシークワーサー酎の種もついでに植えたらやはり芽が出た。その後植え替えられ小ぶりな木に成長し、柑橘系二鉢はここ何年もアゲハチョウの生育場となっている。毎年その葉にアゲハは卵を産み、アオムシが大きく育ち、ごく少数が蛹になる。羽化は残念ながらまだ見たことがない。庭に出ると時折アゲハがやってくる。そして僕の周りをぐるっと飛び回る。本当に。
だからか、ムラサキシジミにも心のどこかで期待してしまう。奇跡なのか勘違いなのか分からないけど、何かあるんじゃないかって。小さな命を見守りながら、たまに一人で感動している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?