見出し画像

アイテック阪急阪神が取り組む、クラウドサービス事例についてご紹介!

みなさん、こんにちは!
アイテック阪急阪神株式会社の山崎です。

私たち、インフラソリューション事業本部ネットワークサービス部は様々な業界に対して技術提供をしており、業界や分野を問わない安定したインフラ環境を提供しています。
弊社では、そうした案件を通して培った技術を一過性のものとするのではなく、蓄積していくために様々な取り組みをしております。社内研修や案件の振り返り、そして、社内誌の作成など、情報を整理し、展開し、社員のノウハウとなるよう還元しています。
今回は社内誌として発表された記事の一部をお見せする第2弾です!

抜粋させていただいた社内誌の記事は「企業向けクラウドサービスの提供」をテーマに実際の案件で導入した内容です。本文のいくつかのポイントを抑えながら要約させていただきました!

【社内共有のテーマ】

当部門では、複数の企業向けに、それぞれ異なるデータセンターで構築されたプライベートクラウドサービスを提供してきました。サービスの根幹は、各層を個別に設計・カスタマイズ可能なアーキテクチャである3Tierで構成され、2次バックアップとしてテープにバックアップを行い、遠隔地へ保管する運用を行っていました。今回、それぞれのクラウドサービス基盤がハードウェア更新時期を迎えるにあたり、かねてより要望のあったサービス価格の低減と、ユーザーデータの肥大化により懸念されていたバックアップ復旧時間の長期化などの課題を解決するための検討を行い、クラウドサービス基盤の統合を図りました。本記事ではプロジェクトの概略と検討した技術について共有していきます。

【導入を検討した仮想サーバ基盤の設計手法】

仮想サーバ基盤の設計手法には、3TierとHCIの2つのアプローチがあります。

3Tierは従来からの手法で、物理サーバ、SANスイッチ、ストレージの3つの要素から構成されています。各レイヤが独立してアップグレードできるため、特定の性能に特化したカスタマイズが可能ですが、システム全体の構成が複雑で、設計や管理に労力がかかるデメリットがあります。

一方、HCIは物理サーバ、スイッチ、ストレージなどを統合したシステムで、シンプルで柔軟性が高く、拡張が容易です。高性能なハードウェアを使いながらも、シンプルな構成で運用工数を低減できるため、コストを抑えることが可能です。

遠隔地バックアップの媒体として、磁気テープとオンラインバックアップがあります。
磁気テープは耐久性や携行性に優れており、遠隔地に配送・保管するのに適していますが、専用装置が必要であるため、コストメリットが薄れることがあります。また、データ保存容量が増えると復旧時間が長くなるため、要求される環境には不向きです。
一方、オンラインバックアップでは、バックアップ・リストアの時間が短縮され、物理的なメディアの配送管理も不要です。しかし、外部からのマルウェア流入による被害に注意しながら、安全な経路でバックアップを行う必要があります。

【導入したクラウドサービス】

従来のサービスは、x社、z社それぞれに提供されており、それぞれプライベートクラウドサービスを利用していました。x社向けは2010年から始まり、物理サーバからの移行を進めてきました。サーバ基盤はデータセンターにあり、VMwareとNetAppを使っています。一方、z社向けは2015年からプライベートクラウドへの移行が進んでおり、前述とは異なるデータセンターに基盤を構築しています。この環境では、テープ媒体を使った遠隔地バックアップを行っています。

これらの環境には、いくつかの課題がありました。まず、ハードウェアの更新が必要であり、特にストレージ機器のメーカーサポートが終了したため、ハードウェア全体の更新を検討しました。また、障害発生時の復旧時間を短縮し、今後のネットワーク構想に合わせて環境を整える必要がありました。

新しいサービスでは、低価格での提供、遠隔地バックアップ、障害時の迅速な復旧、そして将来的な拡張性を持つことが求められました。

これらの要件を満たすため、柔軟性と管理の容易さを兼ね備えたHCI構成を採用し、異なるデータセンター間でバックアップを行うことにしました。また、キャリア回線を使ってデータセンター間の接続を確保し、VxRailとVeeam Backup & Replicationを導入しました。
新しい環境への移行では、Veeam Backup & Replicationを使用してオンラインバックアップを行い、サービス停止時間を最小限に抑えました。これにより、顧客の業務への影響を最小限に抑えながら、新しいサービス環境への移行を成功させました。

【今後の展望】

定期的な障害訓練を実施し、万が一の対応に備えることが必要です。バックアップからのリストアは時間がかかる場合があり、迅速な復旧が見込めないこともあります。
また、HCI構成を導入した場合、管理ツールのスキルが必要です。運用フェーズに入る際には、環境構築に関わったメンバーだけでなく、運用メンバーにも適切なトレーニングを行う必要があります。
クラウドサービス環境は拡大していきますが、サービスレベルの統一やセキュリティ強化が重要です。HCIの採用により、追加コストを抑えつつ容易に拡張できます。加えて、BCP対策の強化も重要です。一方のデータセンターがダウンした場合でも、他方のデータセンターでサービス提供を継続できるように、災害対策を検討しています。
本案件に限らず、クラウドサービスの需要が段階的に増える場合、柔軟にスケールアウトできるHCI構成が最適です。当社は複数都市にデータセンターを持ち、オンラインバックアップを利用してコストを抑えながら、顧客に有益なサービスを提供しています。今後、クラウドサービスの利用が拡大するにつれて、安定稼働がますます重要になります。技術者のスキル向上と知識共有を促進し、高品質なサービスを提供していけるよう継続して技術力を高めていきます。

本記事では、社内誌の内容を一部抜粋し、ご紹介いたしました。実際の内容では、より専門的で、かつ、事例を可視化していますので、細部にご興味お持ちいただけましたら、お気軽にご連絡くださいね。
アイテック阪急阪神では、自らの知見を貯めるだけでなく経験をアウトプットすることで、社内にナレッジを共有し、全体的なスキルアップを計っています。
自身の経験はもとより、他者の経験も知ることで、様々な知識を得ることができるでしょう。今回の記事は抜粋になりますので、引き続き、インタビュー記事を投稿いたしますのでお楽しみに!

また、アイテック阪急阪神では一緒に顧客のIT化を支えてくれるメンバーを募集しています。ご興味持っていただいた方は、カジュアル面談や選考へのご応募をお待ちしております!

https://www.green-japan.com/company/3922?job_offer_id=208107

https://www.green-japan.com/company/3922/job/208107