見出し画像

困った時でも友を裏切らない

今日の言葉

イソップ寓話より引用

1)鷲と狐 
鷲と狐が友だちになって、近くに住むことにした。 日々のつきあいで一層友情も固まる、と考えたわけだ。 こうして、鷲はとある高い木の天辺に巣を懸け、狐は根元の茂みにもぐりこんで、子を生んだ。 ところがある時、狐がを探しに出かけたに、食い物に困った鷲は、茂みに舞い降りるや、狐の赤ん坊をひっさらい、雛たちと一緒になって食べてしまった。 帰って来た狐は、事の次第を悟ったが、子供を殺されたことにも増して辛かったのは、仕返しができないことだった。 地上に住むものの悲しさで、飛ぶものを追うわけにはいかないのだ。 無力で手だてのない者にはこんなことでもするしかないのか、遠くから敵を呪っていた。 しかしこの鷲も、友情を裏ぎった罰を遠からず受けることになる。 野原で生贄の山羊が焼かれている時、鷲が舞い降りて、火のついた腸を祭壇から失敬した。それを巣に持ち帰ったのはよいが、折りから突風が吹きつけて、カサカサに乾ききった小枝の巣は、カッと燃え上がった。 このため、まだ羽根も生えわぬ雛は焼かれ、地面に落ちてしまった。 狐は駆け寄るなり、鷲の目の前で、雛を残らず食い尽くした。 友情の誓いを破る者は、たとえ無力な被害者からの懲らしめを逃れたとしても、天罰は免れぬ、ということをこの話は説き明かしている。

【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

困った時でも友を裏切らない

イソップ寓話集の「鷲と狐」を読んで、私は二つのテーマを感じ取りました。

一つ目は立場の強い者による弱者へのいじめ、二つ目は友情の裏切りです。

物語では、食べ物に困った鷲が狐を裏切ります。

鷲は木の上という有利な立場を利用し、狐が木に登れず反撃できないことを知っていました。これは弱い者いじめと同じ心理です。

しかし、鷲の裏切り行為は因果応報となり、結果的に鷲の子どもたちが狐に食べられてしまいます。

この寓話から学べることは二つあります。

まず、困った時でも友を裏切ってはいけないということ。

次に、たとえ立場上優位にあったとしても、友人との関係を軽視してはいけないということです。

これらの教訓を理解することで、人間関係が悪化しそうな状況に直面したとき、事前に自分の行動を見直す機会を得られると思います。

イソップ寓話集の「鷲と狐」を読んで、これらのことを感じました。

ご紹介した本


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?