今日の言葉
二宮翁夜話より引用
今世をしっかりと生きること
私の住む沿線の鉄道では人身事故がよく起きます。先日は同じ駅で1日に2回の人身事故が発生したようです。
それだけ、自ら命を絶ってしまう人が多い現代社会です。 きっと、何かに追
い詰められて逃げる道もなくなり、苦しい毎日の中で「もう、死んでしまった方が楽になれる」という思いで自ら命を絶ってしまうのだと思います。
しかし、本当に「死んでしまえば楽になれる」のでしょうか。
残された家族は深い悲しみと苦しみを味わうことになります。また、自ら命を絶つことで今世が楽になれても、来世も同じような苦しみを味わうことになるかもしれません。
もし、魂に輪廻転生があるのであれば、今世の苦しみは今世のうちに解決しておいた方が、来世をより楽しく生きられるのではないでしょうか。これが私の個人的な考えです。
では、今世の苦しい状況から抜け出すためにはどうしたらよいのでしょうか。
二宮金次郎は過去を振り返ることを提言していますここまで。
ここまで自分が生きてこられたのは、両親のおかげであり、何不自由なく食事をし、日々を過ごしてこられたからです。まずは、これまで生きてこられたことに感謝することから始めましょう。それだけでも、少し心にゆとりが生まれると思います。
次に、目先の問題だけに囚われずに、物事を客観的に見直すことが大切です。
悩んでいるときは、1つの問題に意識が集中してしまい、それがとてつもなく大きな問題に感じられます。一度、客観的に物事を見直すことで、新たな方向性が見えてくることが多いのです。
少しでも方向性が見えてくれば、気持ちは徐々に回復し、いつかは悩みが自然と消えていくでしょう。
死んでも来世で同じ悩みを抱えるのであれば、今世のうちに解消しておいた方が、結果的には楽になれるのではないでしょうか。
二宮金次郎の夜話135段「現世の報恩勤行が大切」を読んで、このようなことを感じました。