英国勅許公認会計士(ACCA)の継続教育義務(CPD)
日本ではほとんど知られていない、英国勅許公認会計士(ACCA)の継続教育義務(CPD)について書きます。
専門職の資格においては、資格取得後も継続して学習することが求められます。
それはContinuing Professional Development (CPD)とか、Continuing Professional Education (CPE)とか呼ばれます。
ACCAにおいては、年間40時間。そのうち、21時間以上は、実施したことが証明できるもの、それ以外は自己申告で可となっています。
内容については、「自分の業務にとって意義のあるもの」という定めがあるだけで、縛りはありません。
この21時間の「証明可能(verifiable)なもの」がなかなか大変で、毎年苦労しています。
コロナのせいで・おかげて、Web版の無料・有料のコースがたくさんできて、その中でACCAがCPE単位認定をしているものは、それを終了すればverifiable unitとしてカウントされます。
私は公認内部監査人(CIA)として日本内部監査協会のメンバーでもあるのですが、そちらのCPEの義務は年間20時間です(監査業務に従事していないので、本来なら40時間のところを非従事会員として20時間)
ですので、こちらのCIAで認定されるCPEを再度ACCAでもカウントすることで、ある程度は何とかしています。
本来はドイツの内部監査協会に所属しないといけないのですが、全部ドイツ語なので、引き続き日本の内部監査協会のメンバーにとどまっています。
それでもやはり足りないので、有料のオンラインコースで、ACCAが認めたものを時々やります。
夏休みの宿題と同じで、年末近くになると「あと○○時間!!」と必死になってオンライン講座を受けるのでした。
資格取得したときは英国にいたので、当時の英国基準の会計と税務を勉強したのですが、2001年に英国を離れて以降は基本は日本基準で仕事をしています。
海外子会社との関係で、あるいは勉強のためにとIFRSを勉強していた時期もありました。
その時は、ACCAのDipIFR(Diploma in International Financial Reporting)という試験を受けました。
確か、30時間程度の準備が必要とあったので、CPDで30時間 verifiable unit として申請しました。これは、合格していないと気分的に申請しづらいものですが、当時2009年の12月に飯田橋のBritish Councilで合格しました。
ちなみにこのDipIFRは実務者でないと難しすぎるのでお勧めしません。
US CPA予備校の Abitus も2011年に対策講座を開設しましたが、2012年には止めていました。
Abitusは現在はICAEWのIFRS Certificate の対策講座をやっています。(当時もやっていて、一時期 DipIFR を追加したのでした)
何の資格でもそうですが、合格後も継続的に学んでいくという覚悟が無いと(お金も時間もかかるので)、結局資格喪失ということにもなりかねません。
受験の前にじっくりと考える必要があります。
ちなみに、大昔に合格した日本証券アナリスト協会検定会員は、一度退会してもペナルティー無しで再入会可能ということで、退会済みです。
米国の証券アナリスト資格のCFAは、現在は投資業務についていないことから、「Professional Leave」ステータスで、のんびりやっています。CPEは義務ではないです。
今年からドイツの CFA チャプターに入会しましたが、こちらは英語のセミナー等がかなりあるので、これは興味に合わせて利用しようと思っております。
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