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SNPSの決算結果 (2024Q1)

Synopsys(ティッカーシンボル:SNPS)が第1四半期決算を発表しています。


予想($) EPS 3.43
実積($) EPS 3.56 ⭕

予想($) 売上高 1.65B
実積($) 売上高 1.65B(+21.1%) ⭕


◆NEXT Quarter(来期)のガイダンス◆

予想($) EPS 3.01
提示($) EPS 3.09~3.14 ⭕

予想($) 売上高 1.55B
提示($) 売上高 1.56B~1.59B ⭕


◆Full Year(今年通年)のガイダンス◆

予想($) EPS 13.42
提示($) EPS 13.47~13.55 ⭕

予想($) 売上高 6.62B
提示($) 売上高 6.57B~6.63B ❌

感想・印象

今期の決算はクリアしましたが、通年のガイダンスが未達でした。年間の売上高に関しては中国市場が変動要因となっており、これかも中国への依存は減らしてゆくとのことです。なので今後も売上高に関してブレる可能性があると予測します。

カンファレスコールの要約①

質問の要点

  • 中国市場への影響について

    • 第1四半期(Q1)では予想に反し好調だったが、年間を通しては依然として変動要因として見ている。

    • 中国市場への依存は今後も減らしていく方針。

  • その他の会計上の質問 * RPO(受注残)の金額 * その他の収益源の強さについて

回答の要点(Sassine Ghazi氏)

  • 中国に関する年間を通した見通しは当初のガイダンスと変わらず。

    • マクロ経済の状況や輸出規制の影響は継続して見込む。

  • Q1の好調は一時的なものであり、年間を通した収益見通しに変更はない。

回答の要点(Shelagh Glaser氏)

  • RPO(受注残)は82億ドル。

  • 四半期ごとの受注には変動が付き物であり、今回の受注残の減少は想定の範囲内。

  • その他の収益の増加は主に為替変動によるもの。

カンファレスコールの要約②

質問の要点

  • 受注残(RPO)について:

    • Q4 からの落ち込みが大きいようだが、これは一時的なものなのか?年間を通した見通しは?

  • 知的財産(IP)ビジネスについて:

    • Q4に好調だったが、その要因は?

    • 今後のIPビジネスのトレンドの見通しは?

Shelagh Glaser 氏の回答(受注残について)

  • Q4からQ1にかけての落ち込みは特に異常ではない。

  • 受注残は年間ベースで管理しており、前年比19%増と好調。

  • 更新や拡張などが関連するので、短期的な動きに捉われず見ている。

Sassine Ghazi 氏の回答(IPビジネスについて)

  • IPビジネスの強みは、チップの設計に不可欠なインタフェースを提供する点にある。

  • 新しい標準の策定や、複数チップを組み合わせるパッケージングの増加がIP需要を後押ししている。

  • 今後も高度な半導体の需要拡大に伴い、IPも成長を続けると確信している。

Shelagh Glaser 氏の補足(年間の業績予想について)

  • 昨年度は後半に業績が集中していたが、今年度は年の前半に寄ると予想される。

  • IPビジネスは時期によって収益に波があるが、長期的に成長が見込まれる。

ポイント

  • 受注残は年間を通して見るのが適切。短期的な変動はあるもの。

  • IPビジネスは、新規チップ設計の増加や技術の複雑化により今後も成長が見込まれる。

カンファレスコールの要約③

質問の要点

  • Ansys社買収でEDA分野(半導体設計ソフトウェア)の大規模な統合が目指されていますが、買収完了までの間、NVIDIA社はどういった投資を行っているのでしょうか?特に航空、自動車、産業などのターゲット分野に対して。

  • NVIDIAの顧客基盤は、限られた顧客に集中しているのが特徴です。AIの普及や他の技術トレンドに伴い、今後数年間でEDA・IP・ハードウェア各分野において顧客の集中度はどのように変化すると予想しますか?

Sassine Ghazi氏の回答

  1. 投資の2つの側面

    • コアEDA分野: 業界標準のサインオフ技術(設計が仕様を満たしているか最終確認する技術)を強化するため、内部ツール開発とAnsysとの連携、両方を継続。

    • 新市場への進出: 自動車分野などを念頭に、製品開発だけではなく、営業・マーケティング活動への投資も継続。Ansys買収はこの新市場への展開を加速させる見込み。

  2. 今後の顧客集中度の見通し

    • 当面は、複雑なチップ開発を手掛ける企業が主な顧客であり、状況は大きく変わらない。

    • 長期的(5年以上先)にはシステム企業の半導体開発部門が成長すれば、顧客ベースの拡大が見込める。

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